【嬉野市役所】来庁不要・転記ゼロを実現。FormBridgeの「マイナンバーカードで本人確認」機能で進む自治体DX
企業紹介
佐賀県西部に位置する、総人口約24,000人の自治体
「デジタルネイティブ世代にも選ばれる自治体へ」を掲げ、市全体でDXや各種施策を行っている
課題
新庁舎一本化に伴い、住民の利便性の維持・確保
行政手続きが「対面・紙・開庁時間内」の制約に縛られていた
解決策
デジタル庁の認証APIと連携したマイナンバーカードによる本人確認付きオンライン申請をFormBridgeで実現した
PrintCreatorを活用し、FormBridgeで受け付けた申請データを既存の紙フォーマットと同じ形式で帳票として出力する仕組みを構築した
効果
住民はオンラインで申請が可能になり、放課後児童クラブ退所届では月5件中2〜3件がオンライン経由となった
紙での申請様式と同じ形式で出力できるため現場の混乱なく運用でき、職員のデータ入力・転記作業も効率化された

「デジタルネイティブ世代にも選ばれる自治体へ」。
令和8年度の新庁舎一本化を見据え、嬉野市はkintoneとトヨクモの連携サービスを駆使した窓口業務のDXを推進しています。
これまで行政手続きの多くは「対面・紙・開庁時間内」という制約に縛られており、オンライン化における厳格な本人確認が大きな課題でした。
そこで同市は、マイナンバーカードでの本人確認に対応したWebフォーム作成サービス「FormBridge」や、kintoneからの書類出力ができる「PrintCreator」を導入。スマートフォンからの手軽な申請を実現し、住民の来庁負担を軽減するとともに、職員のデータ入力作業の削減にも成功しています。
この業務改善にあたって、自治体特有の壁をどう乗り越え、現場のキーパーソンを巻き込んでいったのか。広報戦略推進部 広報・広聴課の坂本賢一朗氏に、具体的な活用事例と、成功に導くための「失敗から学んだ秘訣」を伺いました。
▲広報戦略推進部 広報・広聴課の坂本賢一朗氏
新庁舎一本化で急務となった自治体業務のオンライン化
嬉野市役所がオンライン申請の拡充やDXに乗り出した最大の理由は、新庁舎への一本化でした。
現在の嬉野市は、約20年前に旧嬉野町と旧塩田町が合併して誕生しました。そのため、これまでは2庁舎体制で運用してきましたが、一本化に伴い片方の庁舎が支所となることが決まっています。
これにより支所で対応できる手続きが減少してしまうこともあり、遠方となる住民の利便性をいかに維持・確保するかが急務となっていました。
さらに、オンライン申請に不可欠な「本人確認」のあり方も重要な課題でした。
「身分証の写真を添付するような形ではスマートではないと感じていたので、マイナンバーカードを活用した本人確認を導入したいと考えていました。加えて、総務省のモデル事業への応募要件にマイナンバーカードの利活用が含まれていたこともあり、kintoneとFormBridgeを導入することにしたのです」(坂本氏)
FormBridge導入の決め手は「マイナンバーカードで本人確認」機能
こうして庁内のデータ管理基盤は整いましたが、次なる課題は「住民(外部)との接点をいかにデジタル化するか」でした。kintone単体では、kintoneライセンスを持たない住民が直接データを入力することは難しかったからです。
こうした中でトヨクモkintone連携サービスが選ばれたのは、庁内で導入を検討していたkintone環境を基盤に、デジタル庁の認証サービスと連携したマイナンバーカードによる本人確認付きオンライン申請を、FormBridgeを介して実現できる点です。kintoneとの親和性も高く、既存業務フローにも組み込みやすいことから、新たな大規模システムを構築せずに、申請受付が可能であることが決め手となりました。
「導入にあたってはプロジェクトチームを立ち上げました。プロジェクトには市民課、福祉課など5つの課から職員が参加したほか、部課長クラスとの調整や重要事項の決定のため、調整委員会も設置しました」(坂本氏)
嬉野市役所ではスムーズな導入のため、kintoneアプリの作成は基本的に各業務担当者が行い、難しい場合はDX推進室がサポートするという形をとっています。
一方で、FormBridgeやPrintCreatorの設定はDX推進室が一括で担当することで、職員の心的抵抗と負担を減らし、クオリティとセキュリティを維持しています。
事例1:マイナンバーカードで本人確認!FormBridge×PrintCreatorで子育て世帯の利便性を高めるオンライン申請
嬉野市役所では、2025年12月から放課後児童クラブの退所届をはじめ、保育所の退所申請、児童手当や介護医療費助成の金融機関変更など、計4つの手続きで、FormBridgeとPrintCreatorを活用したオンライン申請を開始しました。
住民は、市のホームページの専用バナーから各種行政手続きへアクセスします。そこからマイナンバー認証を経て、FormBridgeで作られた各種フォームへと移行します。必要事項を入力し、申請が完了すると、データがkintoneに反映され、住民には申請完了のメールが届くという流れです。
※FormBridgeの「マイナンバーカードで本人確認」機能を利用すると、マイナンバーカードから取得した氏名や住所などをフォーム上の各フィールドに編集不可で自動入力することができます。
▲申請用のページにアクセスすると、最初にマイナンバーカードによる本人確認が求められる。

▲FormBridgeで作成された放課後児童クラブ退所届の申請フォーム画面。

▲FormBridgeで申請された情報はkintoneアプリの新しいレコードとして追加される。
嬉野市役所では、オンラインだけでなく、紙の書類による申請も受け付けています。
オンラインと紙、申請方法が2つになったことで、申請後の業務が煩雑になることを防ぐため、PrintCreatorも活用しています。FormBridgeで受け付けた申請を書類として印刷することで、オンラインからの申請も、受付後の業務は紙での申請と同様に進めることができます。申請後、内容を確認し、不備がなければ来庁不要で手続きが完結します。
▲左が紙での申請様式、右がFormBridgeで受け付けてPrintCreatorで出力した申請用紙。同じ形式で運用することで現場の混乱なく運用が可能に。
「特に共働きの子育て世帯にとって、平日の昼間に来庁するのは大きな負担です。オンライン申請を導入したことで、住民は来庁せずに自宅から申請が可能になりました」(坂本氏)
運用開始からこれまでに約10件の申請があり、特に放課後児童クラブの退所届は、月5件ほどの申請のうち2〜3件がオンライン経由となるなど、着実に浸透しています。また職員側も、申請データを帳票に転記する作業が効率化され、業務量を増やすことなくDXを進めることができたといいます。
こちらの運用についてはトヨクモクラウドコネクト社の支援を受けながら、慎重に構築を進めていきました。
■嬉野市、マイナンバーカード連携によるオンライン申請を開始
https://toyokumo-connect.com/news/20260312-mynumber-ureshinocity
事例2:FormBridgeでイベント申込受付を効率化!
嬉野市役所では不定期に開催されるイベントの申込受付でも、FormBridgeを活用しています。
「これまで、イベント受付はHPで行っていましたが、ページの作成にはかなり手間がかかっていました。今はkintoneアプリができていれば、FormBridgeで簡単にフォームを作成できます。あとはフォームのURLを市の公式LINEなどに掲載すれば、告知完了です」(坂本氏)

▲FormBridgeで作られたイベント申込フォーム。イベントの詳細も記載されている。

▲イベントは市の公式LINEなどに投稿され、FormBridgeで作成したフォームに遷移できるようになっている。
フォームからのイベント申し込みは利用率も高く、住民にとっても職員にとっても便利なサービスになっているそうです。
キーパーソンを押さえて自治体窓口業務DX化を加速
順調に見える業務改善ですが、その過程には反省点もあったと言います。
「当初は、窓口に関わる全職員に一律で説明会を行えばDXが進むと考えていました。
しかし、実際にはなかなか浸透しませんでした。 私たちが現場で直接窓口に立つわけではないからこそ、一方的な説明ではなく、まずは現場の信頼厚い『キーパーソン』を味方につけるべきでした。その方との深いコミュニケーションを通じて、現場の言葉でメリットを広めてもらうことが、スムーズな導入の近道だったと痛感しています」(坂本氏)
嬉野市役所は今後、オンライン申請の対象を現在の4つの手続きから10〜20の手続きに拡大するとともに、対象分野も子育て関連だけでなく、福祉課や健康関連などへ広げていくことを検討しています。
「今後はkViewerやkMailerを活用しながら、さらにDXの推進に寄与できればと考えています」(坂本氏)
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記事公開日:2026年4月13日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります。
この事例で活用した機能はこちら
FormBridge|マイナンバーカードで本人確認 | マイナンバーカードによる本人確認が完了したユーザーのみ、フォームにアクセスできます。デジタル庁が提供する「デジタル認証アプリ」を利用します。悪意のある投稿や不正アクセスを防ぎ、より安全にフォームを運用できます。 |
PrintCreator|無制限の書類作成 | kintone内の情報を元に書類を作成する、PrintCreatorの基本的な機能です。見積書や請求書などの帳票、日報、報告書など様々な用途で利用できます。書類の作成数はどのコースでも無制限です。 |

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