奄美市役所 様

活用事例

奄美市役所 様

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  • 業務内容:奄美市役所
  • この記事で使われているトヨクモ製品:FormBridge、PrintCreator、kViewer
  • 利用用途:避難所管理、選挙の投票、職員の健康管理
  • URL:https://www.city.amami.lg.jp/
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避難所管理、選挙の投票、コロナ禍の健康観察などマルチにkintone×トヨクモ製品を使いこなす奄美市役所



 奄美大島は鹿児島市と沖縄本島の中間に位置しており、2021年7月に奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島が世界自然遺産に登録されたことは大きくニュースになりました。奄美市役所はその大島本島にあり、市民の生活を支えています。

 奄美市は毎年、7月から11月にかけて、台風や大雨による洪水といった災害が発生することが多く、必要に応じて避難所を開設します。この避難所に避難してくる人たちの情報を本部とスムーズに共有するため、2017年にkintoneを導入しました。

 そこから庁内での活用が広まり、フォームブリッジやkViewer、プリントクリエイターなどのkintone連携サービスも導入されています。今回は、kintone×トヨクモ製品でシームレスな情報共有や業務改善を実現した経緯について、商工観光情報部デジタル戦略課デジタル戦略係の森田侑子氏にお話を伺いました。

商工観光情報部デジタル戦略課デジタル戦略係 森田侑子氏。

避難者の情報をリアルタイムで共有するためにkintoneを導入


 奄美市だけでも避難所は100か所以上あり、状況に応じて開設をしますが、それぞれの避難所へ訪れた人数を共有しなければなりません。大きな台風などが来る際は、マスコミからの問い合わせも来ます。しかし、以前は電話で避難者の人数を取りまとめており、集計に時間がかかってしまうのが課題でした。

 そこで2017年にkintoneを導入しました。避難所の担当者が人数を入力すると、リアルタイムでkintoneで避難人数などの状況を把握できるようになったのです。翌年以降も避難所の管理だけでなく、さまざまな市役所業務でkintoneを活用することになりました。

 しかし、予算の関係で、契約できるkintoneのユーザーアカウント数は職員数の約6%の40アカウントで、一部の職員しか使えませんでした。そのため、全職員に情報を入力してもらったり、閲覧してほしい場面での活用が進まなかったのです。

 「私は導入時にいなかったのですが、2018年当時「市政モニターアンケート」を行うことになりました。外部からkintoneに情報を入力してもらうためのフォームを設置できるのは、トヨクモさんの「フォームブリッジ」だけだったので、導入したと聞いています」(森田氏)

 「市政モニターアンケート」は、市民からふるさと納税や移住・定住、空き家対策関係に関して、市民からの声を集めるために設置したそうです。

 2019年には避難所管理アプリの避難所開設状況を外部に公開するため、kViewerも導入。一時試験導入された庁内食堂の弁当注文アプリにもkViewerを活用し、弁当のメニューや注文状況をユーザーに公開していたそうです。また、注文した内容をPDFで出力するために、プリントクリエイターも同時期に導入しました。

紙で集計していた選挙の結果をフォームブリッジとkViewerでリアルタイム共有


 森田氏がデジタル戦略課に異動してきて、2022年に作ったのが「選挙投票者数集計業務」アプリです。33か所の各投票所には集計係がいて、10時/11時/14時/16時/18時の定時に報告する業務があります。以前は電話で行っていましたが、当然手が足りなくなりました。その後、ビジネスチャットを導入したので、そこで連絡することになりました。

 しかし、定時になるとみんなが一斉に報告して来るうえ、フォーマットはバラバラです。情報が入り乱れて、かえって集計者の手間が増える事態に陥りました。最終的には集計結果を紙に書いて開票所に持っていくのですが、紙ベースなので到着が遅れると集計遅れやミスも発生します。そのため、集計結果の確定発表後に訂正をしたこともあったそうです。

 「この集計をなんとかデジタル化できないか、と選挙の担当者から相談を受けたので、kintoneでできます、と答えました」(森田氏)

バラバラの形式で飛び交うビジネスチャット


 投票場すべてにkintoneのライセンスを渡すことはできませんが「投票場ごとに閲覧できる情報を絞り込みたい」「報告と同時に集計も完了させたい」というニーズがありました。そこで、kintoneライセンスのないユーザーでも、定時報告ができるように、フォームブリッジとkViewerを組み合わせました。

 まずは、フォームブリッジの投票数集計フォームから、kintoneの投票数集計アプリに入力してもらうようにしました。その際、投票所のマスターアプリを作り、kViewerの外部公開APIで公開することで、自分の投票所の情報がルックアップ機能ですぐに出てくるようになります。さらに、入力された数を再度、kViewerのリストビューで投票数報告一覧を閲覧できるようにしています。

 投票者数を入力すれば、合計人数は自動計算されるので、従来のように電卓をたたく必要がなくなったため、計算ミスも起こらなくなりました。

 もし人数の入力を間違えた場合は、フォームブリッジとkViewerを組み合わせることで、担当者に修正してもらうことが可能です。しかし、自由に修正できるようになると、人数の把握が難しくなるので、あえて設定をしていません。入力ミスが生じたら本部に連絡し、修正してもらうという運用にしています。

投票者数報告のアプリ画面です。人数を入力するだけなので、手間がかかりません。


 投票の集計にkintoneを初めて使うときに混乱が発生しないように、森田氏は丁寧な入力マニュアルを作成し、kViewerで公開していました。実際に見せてもらいましたが、本部用と記録係用それぞれにとてもわかりやすいマニュアルが用意されていたので驚きました。


「今年度の県議選ではToyokumo kintoneApp認証のメール認証で閲覧情報の絞り込みを実装したのですが、選挙が行われなかったのでまだ活躍の場はありません。今後の選挙で活用しようと思っています」(森田氏)

コロナ禍の健康管理を電話からフォームブリッジに変更


 奄美市役所では、職員の健康管理をするために、保健師が人事担当課に配置されています。コロナに感染した職員には、保健師が電話やビジネスチャットで健康状態をヒアリングしていました。その後爆発的に感染者が増え、一人では対応しきれなくなり、保健師から「健康管理業務をデジタル化できないか」と相談されたそうです。

 フォームブリッジで日付や体温に加え、気になる症状や保健師に相談したいことを入力してもらうフォームを作成しました。入力完了後は、自動返信でメールを送り、控えにするという運用です。

 感染者や濃厚接触者から報告があると、保健師のスマホに通知が届くようにしました。保健師はkintoneで体温の履歴を見て、フォローが必要な職員にはビジネスチャットや電話で詳細をヒアリングしたり、症状が重い場合には再度病院受診を勧める・所属課と連携するなどしてして、効率的にサポートできるようになったそうです。

健康観察の報告を自分でできるようになり、お互いの負担が軽減されました。

保健師は履歴を見て、適切な対応を効率的に取ることができます。


 会計年度任用職員を採用すると、所属課の要望に応じてビジネスチャットのアカウントを発行します。ログインIDやパスワード、認証コードなどの情報や、使い方のマニュアルを渡さなければなりません。五月雨に作業していると手間がかかるので、森田氏は情報をまとめてプリントクリエイターでPDF出力できるようにしました。

 利用者の情報をkintoneに登録したら、帳票を選んで「出力」ボタンを押すだけです。その後は、出力したPDFを担当課に送り「本人に渡してください」という運用にしているそうです。

ビジネスチャットのアカウント情報やマニュアルなどをまとめてPDF化した。

kViewerで絞り込んだURLにアクセスしてもらうことでユーザーの手間を削減


 避難所管理アプリを運用する中で、課題も出てきました。災害の規模が大きいと、開設される避難所の数がkintoneのライセンス数を超えてしまうケースが発生してしまうのです。その場合は、他の避難所の担当者に入力をお願いしたり、本部に連絡して代わりに入力してもらったりして凌いでいました。

 そこで森田氏はフォームブリッジでWebフォームを作成し、誰でもkintoneに情報を入力できるようにしたのです。さらに、避難してきた人の情報を確認するために、kViewerでリストビューを作成しました。しかし、運用をする中で1つ課題が見つかりました。

「ほとんどの場合、kViewerで見たいのは、自分が担当している避難所にいる人の情報です。現在のリストビューだと、毎回避難場所を検索して、絞り込む必要があります。ただでさえ忙しい状況で、その操作を強制すると苦情が来そうです。その避難所のリストだけを表示するにはどうすればいいのか考えました」(森田氏)

 奄美市役所はフォームブリッジとkViewer共にプレミアムコースでのご契約なので、Toyokumo kintoneApp認証に登録できる数より避難場所の数の方が多いのです。

 そこで森田氏は、kViewerで絞り込み表示したときのURLそのものを利用することにしました。全避難所分の絞り込みしたURLを用意し、kViewerのリストビューに入れたのです。担当者は、自分の避難所のURLをクリックすれば、すぐに必要な情報だけが表示されるようにしました。

担当者が、自分の避難所で絞り込んだリストにアクセスできるようにURLを用意しました。


 さまざまな用途でトヨクモ製品を使いこなしていて、素晴らしい事例でした。どんなところを気に入っていただいているのでしょうか?

「トヨクモ製品はすごく操作がわかりやすいです。最初はちょっと慣れが必要ですが、kintoneのようにドラック&ドロップで使えます。あとは、Toyokumo kintoneApp認証で公開制限がかけられるのがとても便利ですね。kViewerとフォームブリッジを連携させて、外部からkintoneを更新できるのはすごいです。また、ちょっと調べればいろんな情報が見つかるので、とても活用の幅が広がります」(森田氏)

最後に今後の展望を伺いました。


「つい先ほど世界自然遺産の担当者から相談を受けました。奄美大島が世界自然遺産に登録された関係で観光客が増えているのですが「電波が通じないところに設置しているバイオトイレの利用者を把握したい」という要望です。もちろん、フォームブリッジとkViewerを組み合わせれば、対応可能です。エコツアーガイドが下山したらスマホから入力してもらえればいいのです。ガイドさんの人数は決まっているので、Toyokumo kintoneApp認証が利用できます。今後は、コロナも収束してきたので観光系でも活用を広げて、観光客の利便性を向上させ、事業者の事務の負担も軽減していきたいと考えています」と森田氏は締めてくれました。

記事公開日:2023年6月23日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります