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檜垣造船株式会社 様

最大2週間かかっていた業務が1日に短縮! 情報共有を円滑化し、顧客との関係強化を実現した造船会社のトヨクモkintone連携サービス活用事例


檜垣造船株式会社は、船舶の設計開発・建造・修理を行っている企業で、貨物船・タンカー・LNG船など、お客様のニーズに沿った船舶を建造しています。

同社は、紙ベースでの情報管理が行われていたことで、お客様とのお打ち合わせで情報共有などに課題を感じていました。このような状況の中、経営体制の一新に伴い、会社方針が大きく変更されたことでDX化が進められることに。それにより、2018年にkintoneとkBackupが導入され、2021年8月のPrintCreator導入を皮切りに、トヨクモkintone連携サービスを活用した業務効率化が本格的に進められました。

この記事では、檜垣造船株式会社 総務課の吉井美佳氏に、トヨクモkintone連携サービス導入前の課題や活用事例、導入後の効果についてお話を伺いました。

Excelや紙ベースでの情報管理による非効率な業務体制からの脱却を目指し、kintoneを導入

kintone導入(2018年)以前、同社では、図面の制作を紙で行っていたこともあり、それ以外の業務も紙ベースで管理していました。当時はPCを使わなくても業務が回っていたこともあり、会社としては「全員がPCを持つ必要はない」という方針になっていたそうです。

PCを使わずとも業務が回っていた一方で、最新の情報がどれかわかりにくい、作成者しか資料を修正できない、といった課題も散見されていました。

▲kintone導入前にお客様との打合せ記録を管理していた紙のファイル

一部の業務ではWordやExcelを活用していましたが、共有場所を用意していなかったため、作成されたデータは個人フォルダで保管する体制。他の人が閲覧・編集できない状況となっており、マニュアル等も存在していなかったため、情報管理をはじめとする業務が属人的なものとなっていました。

▲手書きで作成した資料(押印のスタンプラリーが発生)

しかし、2018年の新社長就任に伴う経営体制一新が大きな転機になったそうです。

経営体制一新に伴い、全社方針も「DX推進」へとアップデートされたことで、業務改善を積極的に行っていくこととなりました。初めは、長年「紙こそ正義」という考え方が根付いていたことや、会社として大きな方向転換だったということもあり、戸惑う従業員も少なくありませんでした。
そこで、1年以上時間をかけて段階的にkintoneの導入を進めたり、独自のマニュアルを作成したりすることで、社内への普及に取り組みました。その結果、kintone導入前には想像できないくらい、現在では各業務でDX化が進んでいます。(吉井氏)

顧客との長期的な関係構築と、複雑な社内手続きの効率化を実現! 造船会社だからこそのkintone連携サービス活用術

同社では、kintone導入後も、プラグイン導入によって業務効率化の幅を積極的に広げていきました。その中心となっているのがトヨクモkintone連携サービスのFormBridgekViewerPrintCreatorkBackup
実現したい機能が搭載されていることはもちろん、かつては紙文化の中で業務にあたっていたメンバーでも活用できるような「使いやすさ」が大きな決め手となり導入されました。

【FormBridge・kViewerの導入】

同社の業務で大きな課題となっていたのがお客様との打合せ記録の共有です。造船プロジェクトでは、一隻を建造するために何回もの打合せをお客様と重ねます。FormBridgeとkViewerの導入以前は、この打合せ記録を紙で打ち出してお客様にお渡ししていたため、資料の量が多くなりがちで見づらい状況でした。
また、社内においても確認したい内容の検索ができず、情報を探す手間がかかるという課題があったそうです。

そのため、同社では打合せ情報の入力と、入力された情報のスムーズな共有を実現する解決策が求められており、この流れで検討されたのがFormBridge・kViewerでした。
FormBridgeとkViewer間や、既存アプリとの連携が可能で、お客様ごとにアプリ作成をする必要がない点がメリットとして評価され、今でもよく活用されています。

【PrintCreatorの導入】

打合せ記録の共有以外にも、見積書や発注書など、対外的に提出する書類を作成する工数の削減も大きな課題でした。造船の業界では、業務上どうしても紙で出力しなければならない書類も存在し、それらはアプリから別途フォーマットに転記し作成していたため工数が二度手間となっていました。
また、kintoneの導入後、社内での情報共有は円滑に行われるようになった一方、業界的には紙ベースでのやり取りが中心。よって、「kintone上の情報を参照した書類を所定の形式で出力する」ツールの必要性が高まっていました。

そこで、レコードからボタン一つで自動的にPDFデータに出力ができるPrintCreatorの導入を決定。
kintone内の情報を参照できるだけではなく、見やすい形式で書類を出力できるため、余分な工数がかからない点が導入を加速させたといいます。

【kBackupの導入】

造船業界だけに限らず、データを扱う全ての企業につきまとうのがデータ管理の問題です。例えば、顧客の情報が変更になったため、アップデートしようとしたら誤って顧客に関する全てのデータを削除してしまう、という事案が起こることも少なくありません。
実際、檜垣造船でも、業務中に顧客情報を意図せず消去してしまいそうになったことがあるといいます。また、自社でデータの誤消去のリスクを認識していても、対策が行き届かない部分があったそうです。

重要なデータについては、誤って削除されないように権限に制限をかけていましたが、その制限が外れてしまう可能性がありました。そのため、万が一が起きてしまった時にでもフォローができるように、バックアップができる体制を整える必要があると判断しました。(吉井氏)

当時、ほかには上記の条件を満たす製品がなかった中で、kBackupが数少ない選択肢だったそうです。実際、導入してからも意図せずレコードを削除してしまうという事例が複数回発生したこともあり、簡単にレコードを復元できる体制を準備しておいて良かったという声が上がっています

最大2週間かかっていた業務がわずか1日に短縮! トヨクモkintone連携サービスの活用事例5選

活用事例1:お客様とのお打ち合わせ記録の共有【FormBridge、kViewer】

檜垣造船において大きな課題となっていた打合せ記録の管理は、FormBridgeとkViewerの連携によって効率化を実現しました。

まず、お客様との打合せを実施した後、社員はkintone内のアプリに進捗や添付ファイルなどを入力します。お客様はFormBridgeで作成したフォームへの入力を経由してkintoneアプリに登録することが可能なため、共有までに必要な作業の分担が可能になりました。

▲FormBridgeで作成した打合せ記録の入力フォーム

フォームに入力された情報は、kintoneで作成された社内管理用のアプリと、kViewerで作成されたお客様共有用のビューに即時反映されます。

まずは、お客様ごとに情報を出し分けるkViewerのビューを作成しました。お客様の企業名で表示されるレコードを絞り込み、費用や図面番号といった情報の中から必要な情報のみkViewerで表示できるように設定したとのこと。それによりkViewerでは、船主様ごとに情報の出しわけが可能になったそうです。

導入以前は、打ち合わせをしてからお客様に情報をお渡しするまでに最大で1ヶ月もの時間がかかっていたそうですが、現在はお打ち合わせの場でkintoneに打ち込みkintoneに保存。そしてkViewerで公開というフローを構築した結果、お客様への情報開示が即日可能になったとのこと。

▲kintoneで作成した打合せ記録の管理アプリ(FormBridgeに入力された内容を反映)


お客様共有用のビューについては、費用や図面番号といった情報の中から必要な情報のみkViewerで表示できるように設定したとのこと。お客様ごとの基本情報入力や、共有設定は済んでいるため、必要な情報だけを切り出してkViewerで共有することが可能です。

▲kViewerで作成した打合せ記録の管理ビュー(お客様が閲覧)

以前は、打合せ記録を社内確認に回し、10名近くの社員から判子をもらう必要があり、お客様に打合せ記録を共有できる状態になるまで最大で2週間かかっていました。それが即日対応できるようになったことは、非常に大きな変化です。
また、一隻の建造あたり、少なくとも100枚以上の紙書類をやり取りしていましたが、デジタル上で情報共有できるようになったので、それらをほとんど削減できるようになりました。(吉井氏)

【活用事例2】入門許可書の発行【PrintCreator】

檜垣造船では、所定の場所に出入りするための入門許可証を適宜発行していますが、導入以前は作成フローそのものが決まっておらず、各自のテンプレートで作成していたそうです。

そこで、PrintCreatorを導入し、会社の名前やロゴが入っている正規の統一されたフォーマットを作成し、kintoneから有効期限の日程などを入力した上で1クリックで簡単に発行できるようになりました。

▲kintone上で入門許可証に記載する情報を設定している画面


▲PrintCreatorを活用して出力された入門許可証

【活用事例3】顧客満足度調査アンケート【FormBridge】

檜垣造船では、効率化だけではなく業務改善の取り組みも行っており、その一つとしてFormBridgeを活用した顧客満足度調査アンケートの収集を実施しています。

満足度については、5段階評価での選択式で回答するように設定し、その評価の理由や気になった点については、すぐ横に自由記述式で記入できる項目を設置しています。入力された内容は即時kintoneに反映されるため、担当者も確認しやすくなり、データも同じ場所に蓄積されていくため、業務改善に取り組みやすくなったそうです。

▲FormBridgeで作成されたお客様向けの顧客満足度調査アンケート

【活用事例4】安否確認【FormBridge】

大規模な災害時には、FormBridgeを活用し従業員の安否確認を実施しています。

▲FormBridgeで作成された安否確認フォーム

「本人の状況」や「出社可否」など、会社として把握するべき情報を選択式で回答できるフォームを作成。それだけでなく、自由記述が可能な「特記事項欄」を設置したことで、必要に応じて、詳細な情報まで収集できるようになりました。

※トヨクモは災害時の従業員の安否確認システムを提供しています。
https://www.anpikakunin.com/

【活用事例5】報告書・請求書発行【PrintCreator】

報告書や請求書など、各種書類の発行でもPrintCreatorを活用しているそうです。

kintone上で記載情報を入力した後、PrintCreatorを用いてワンクリックでの出力が可能になっています。押印対応が必要な書類については、kintone上に別途ワークフローを設置しており、承認されたものは自動で押印された形式で出力されるようになっています。

【活用事例6】社内報の共有【kViewer】

同社では、社内での情報共有としてもトヨクモ連携サービスを活用しています。

具体的には、社内報の共有をkintoneとkViewerで実施。kintone内に用意した添付ファイルフィールドに社内報の画像データをアップロードするだけで、自動的にkViewerで共有することが可能になります。

▲社内報に関するkintoneのレコード詳細画面

kViewerで社内報の閲覧ビューを構築したことで、検索フィールドやバックナンバーなどから閲覧したい社内報をスムーズに探すことが可能になりました。

▲kViewerで作成した社内報閲覧用のビュー

造船会社にとってのkintone連携サービスとは? 更なる進化を目指して

トヨクモkintone連携サービスの魅力は、専門的な知識がなくても、kintoneをより便利に活用できるようになるツールが揃っている点。そして、製品同士の連携でさらに活用の幅が広がっていく点だと吉井氏は語ります。

元々は紙文化だった弊社にとって、専門的な知識がなくても簡単に業務フローが構築できるトヨクモkintone連携サービスの使いやすさとラインナップの幅広さはとても魅力的でした。また、単体でも十分便利なkintoneに、既存アプリやツール間で連携できるトヨクモkintone連携サービスが組み合わさることで、活用の幅がさらに広がっていきました。全社方針の転換により、各業務で業務効率化の重要度が急速に高まった弊社にとってはまさに相性ぴったりな連携サービスだったと思います。

今後は、各製品の機能をさらに把握して、活用できそうな業務がないかを検討していきたいと考えています。(吉井氏)

記事公開日:2024年11月28日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります