【6,000名のDX】健康診断予約や人員計画を自動化。車載電池の世界的リーダーがトヨクモkintone連携サービスで実現した「内製化」とは
企業紹介
車載用リチウムイオン電池のグローバルリーダーとして、日本国内に 6,000 名の社員を擁する製造企業
課題
現場で日々生まれる「ちょっとした困りごと」を、スピード感をもって自分たちで解決できなかった
数千人規模の健康診断予約や人員計画集計など、膨大な手作業が現場担当者の大きな負担となっていた
個人任せのツール活用ではガバナンスが効かず、全社として安心して使える環境が整っていなかった
解決策
「現場が自分で作れる・変えられる・続けられる」環境を実現
IT未経験の現場担当者自らが業務アプリを構築できる市民開発の仕組みを整備
開発ルールとガバナンスを整えることで、全社で安心して活用できる基盤を構築
効果
ガバナンスを保ちつつ、現場主導で自発的に業務改善が行われる「自走するDX文化」が醸成。
数千人単位の調整業務を内製化し、大規模な外注コストと手作業による工数を大幅に削減
「毎年の憂鬱な繁忙期」から「自分で回せる達成感」へ——現場担当者の働き方が変わった

車載用リチウムイオン電池のグローバルリーダーとして活躍するプライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社。同社では、全社員約6,000人が抱える日常的な業務課題を解決するため、kintoneとトヨクモkintone連携サービス『FormBridge』『kViewer』『kMailer』『PrintCreator』『DataCollect』を導入しました。
数千人規模の健康診断予約から、複雑な人員計画の集計、さらには現場主導の試作評価フローまで、システム部門と現場が一体となりトヨクモkintone連携サービスを活用した課題解決事例について、経営システム部システム企画開発室からプラットフォームDXグループの廣澤秀二郎氏、そしてバリューチェーンDXグループの大野卓人氏にお話を伺いました。

▲写真中央左の廣澤氏、中央右の大野氏と、社内の kintone 事務局運営メンバー
現場の課題解決を阻む「ITガバナンス」の壁とkintone導入の決断
同社がかつて直面していた課題は、現場で日々生まれる「ちょっとした困りごと」を、スピード感をもって改善できないことでした。
既存システムは、ベンダーへ依頼しなければ修正できない大規模なワークフローやERPが中心で、手軽に改修することが難しく、一方で個人任せのツール活用はガバナンスの面で不安が残る。
このジレンマをどう解消するかが、DXを進めるうえでの大きなテーマでした。
「現場の課題を解決しようとすると、既存のクラウドサービスを活用した個人レベルの開発に頼らざるを得ず、ITガバナンスが効かないツールがどこで動いているか把握できないという懸念もありました」(廣澤氏)
解決策を検討するにあたり、同社が重視したのは、次の3点です。
① 現場自身が要件を理解し、自分で改善・変更できること
② 担当者が変わっても運用が属人化せず継続できること
③ 個人最適に留まらず、全社としてガバナンスを維持できること
この条件を満たしたうえで、数千人規模の業務を内製で回せる仕組みが必要でした。
こうした要件を踏まえて検討した結果、kintoneを基盤とし、トヨクモのkintone連携サービスを組み合わせる構成が、もっとも現実的だと判断しました。
「これは私の考えですが、kintoneそのものはシンプルな機能を持つ『素うどん』のような存在であり、そこにトヨクモの連携サービスという『出汁』や『具』を組み合わせることで、より利便性が上がると感じています。」(廣澤氏)
同社が目指しているのは、業務上の課題を一番よく理解している現場のメンバー自身が、その課題を解決するためのアプリを"市民開発"できる状態です。これまではDX部門が開発を担うケースも多かったものの、開発ルールやガバナンスの整理が進んだことで、今後は現場主導で業務改善が回り、DX部門はそれを支援・後押しする立場へシフトしていく方針だといいます。
以降でご紹介する5つの活用事例は、いずれもこの「現場主導の市民開発」というビジョンを具体化した取り組みです。
事例1:FormBridge・kViewer・DataCollectで数千人規模の「健康診断予約」を内製化
同社において、kintoneとトヨクモ製品が最初に真価を発揮したのが、導入のきっかけにもなった「健康診断の日程予約システム」です。約6,000人もの従業員を抱える同社では、従来、受診希望日の調整だけでも膨大な工数が発生していました。
そこでFormBridgeで予約フォームを作成し、リアルタイムな空き状況の確認にはkViewerを活用。予約枠の残数管理や自動計算にはDataCollectを用いることで、複雑な予約ロジックをノーコードで実装しています。これまで多額のコストをかけて外注するか、あるいは手作業で耐え忍ぶしかなかった大規模な調整業務が、わずか数名のチームによる内製開発で実現できたそうです。
この事例は、DX部門が主導して構築した最初の成功体験であり、現場に「kintone×トヨクモ製品で業務を変えられる」という認知を広げるきっかけとなりました。
詳細はこちらの記事でもお話しいただいています。
■【kintone×トヨクモ製品で実現】従業員全員の困りごとを解消するDX(トヨクモkintoneブログより)
事例2:開発時間わずか2時間!FormBridge、kViewer、DataCollectによる「データ教育ポータル」構築
健康診断の日程予約システムを皮切りに、トヨクモkintone連携サービスはさまざまな業務で活用されています。
同社では社員にデータベースを扱うスキルを身につけてもらうために、ExcelやBIのスキルを教える「Excel・BI教育プログラム」を実施しています。
講習会は社員のITに関するお困りごとを聞く重要な場となっており、講習会に来た社員から「実は業務でこんなことに困っている」という相談を受け、「それならkintoneでこう解決できますよ」と提案する、社内営業の拠点としても非常に重要な役割を担っているといいます。
しかし、約6,000人の社員一人ひとりのスキルレベルを把握し、それぞれに適した教材を提供・管理する仕組みが整っていませんでした。
また、拠点ごとの講習会予約管理も手作業では限界がありました。そこで、FormBridgeを用いた約50問のスキル診断を実施。その結果に基づいてkViewerのカードビュー上に最適な教材が自動で表示され、社員が自発的に教材をダウンロードして学習できる仕組みを構築しました。

▲FormBridgeで作られた約50問のスキル診断フォーム。社員それぞれのITリテラシーに合わせた教材が提供できるよう設問が用意されている。

▲スキル診断フォームの結果に基づいてkViewerで表示される教材集ページ。社員が自発的に教材をダウンロードして学習できるようになっている。
また講習会の予約についてもFormBridgeを活用。DataCollectでリアルタイムに残席数を管理することで、予約の重複を防止しています。

▲FormBridgeで作成された個別講習日程申込フォーム画面。DataCollectによって定員に達した講座日時は表示されないようになっている。

▲個別講習日程申込フォーム画面の日時選択画面。日時予約の残数はDataCollectでリアルタイムに計算され、頭が出ないようにしている。
「実は、これら一連のアプリ開発自体はわずか2時間ほどで終わってしまいました。ITに不慣れな人もスムーズにシステムを利用できるようになりましたし、引き継ぎコストもなく活用できていてとても満足しています」と廣澤氏は手応えを口にします。
社員のITスキル底上げとkintone活用の社内啓蒙を同時に実現するこの仕組みは、現場主導の市民開発を支える土壌づくりとしても重要な役割を果たしています。
事例3:FormBridge、kViewer、DataCollectで実現した複雑な「全社人員計画」の自動集計
人員見通しの収集・集計業務も、FormBridge、kViewer、そしてDataCollectをフル活用している事例の一つです。
人事部門では四半期に一度、全部署から人員の増減や異動の予定を収集しますが、新卒・キャリア採用だけでなく、定年再雇用やパート、さらには出向に伴う複雑な人員異動も管理しなければなりません。これまではExcelで管理されており、人事部門から各部門長にメールでデータを送信、入力されたデータを返信するという流れで行われていました。
しかし、データや数式の破損や集計の煩雑さ、また部門長とのやり取りに多大な時間がかかるなど、さまざまな課題を有していたといいます。
「人事部門から相談を受けたときに、これまで利用していた入力フォームが非常に複雑だなと感じ、DataCollectが活用できると感じました」(大野氏)
そこでFormBridgeとDataCollectを活用。FormBridgeで複雑な入力項目を複数ページに分けてシンプルに入力できるようにし、DataCollectで異動元と異動先のデータを連動させる集計ロジックを実装しました。

▲FormBridgeを活用した人員計画見通し入力フォーム。多様な要件ごとに数値を入力することで、複雑な数式を一度に対応した結果がkViewerで見られるようになっている。

▲人員計画見通し入力フォームで入力された結果はkViewerで確認することができる。
「入力結果がビューで見やすく表示されることももちろんですが、最大の改善点は、精度の高い人員計画を立案できるようになった点ですね。
以前は、限られた切り口でしか人員推移を把握できていませんでした。
Excelで管理しようとすると入力項目が膨大になり、現実的ではなかったためです。
現在は、単なる数字の増減だけでなく、増員・減員といったデータが蓄積されることで、人員計画そのものの質が大きく向上しています。
さらに、kintone に蓄積したデータを BI ツールへ連携し、ダッシュボードとして可視化できる点も大きな利点です。」(廣澤氏)
人事部門という非IT部門の業務課題を、DX部門の支援のもと内製で解決できた本事例は、現場とDXの理想的な役割分担を体現するモデルケースとなっています。
事例4:FormBridge・DataCollect・kViewerで実現した現場主導の試作評価フロー
開発を行うのはグループの皆さんだけではありません。現場の担当者も開発を行っています。
ここではシステム部門ではない現場の担当者がカスタマイズなしで構築した「試作評価フロー」の管理アプリについてご紹介します。
同社の開発部門では試作した製品の評価依頼を、これまでは紙ベースで行っていました。しかしステータス管理や進捗状況の把握が困難であったため、同グループに解決策を相談に来たといいます。
そこで現場の担当者にkintoneとFormBridge、DataCollect、kViewerによって解決できるのではと伝えたところ、現場の担当者がほぼ独学で構築してしまったといいます。

▲FormBridgeで作成した、評価を依頼するための入力フォーム。必要な項目を一度に入力できるようになっている。

▲依頼を受けて評価した結果を入力するフォーム。
「評価の依頼と結果のデータ入力は、それぞれ別のフォームで実装しています。依頼フォームから回答が入るとレコードが追加され、開発担当者がkViewerで内容を確認します。確認し、その結果を結果入力フォームから回答すると、kintoneアプリのレコード追加をトリガーに、DataCollectが自動で更新し、レコードのステータスを更新するという多段階のワークフローを実現してくれました。これはDataCollectがないとできない仕組みでしたね」(大野氏)

▲DataCollect設定画面。ステータス変更の設定が書き込まれている。
またここではkintone Webhook機能を活用。依頼書更新アプリが更新されると評価アプリが連動してステータスを変更するようになっています。

▲DataCollect設定画面内のWebhook更新画面で、別アプリの変更によるステータス更新を可能にしている。

▲結果の確認や進捗はkViewerで確認ができるようになっている。
多機能で分かりやすい見た目になっていますが、実はカスタマイズなしで標準機能だけで設計しているとのこと。
「システムに精通していない人でも、課題解決のためにkintoneとトヨクモ連携サービスを活用するという、『業務のあるべき姿』を実現してくれた事例となっています。今後は開発以外の部署でも活用していけたらと考えています」(大野氏)
事例5:PrintCreator・kViewerを活用した社内展示会での写真配布
同社では「未来プロジェクト展」という社内展示会を行っており、その中で撮影した社員の写真をPrintCreatorとkViewerを活用して配布しています。この工夫を凝らした仕組みについて、廣澤氏に解説していただきました。
「あらかじめPrintCreatorで、個別のMyページURLをQRコード化したカードを大量に印刷しておきます。撮影時にそのカードを社員に持たせて撮影し、写真ファイルと管理番号を紐付けることで、個人情報を介さずに写真を配布することができました」(廣澤氏)

▲実際に未来プロジェクト展で撮影された写真。最初に個別のMyページURLをQRコード化したカードを大量に印刷し、被写体とともに撮影する。

▲PrintCreatorで出力されたダウンロードページのQRコード。この運用によって個人情報を貰わずに社員に写真を共有できる。
メール送信の手間を省きつつ、個人情報の取り扱いリスクも回避できるこのアイデアは、参加した社員からも驚きの声が上がったそうです。
業務効率化だけでなく、社内イベントの体験価値向上にまでkintone×トヨクモ製品の活用が広がっている点は、現場発のアイデアが自走し始めていると言えるのではないでしょうか。
現場主導の業務改善とガバナンス両立をトヨクモkintone連携サービスで加速
約6,000人という多くの社員を抱えているからこそ、トヨクモkintone連携サービスの有用性を十分に発揮しているプライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社。開発スピードも劇的に向上し、ノーコードでロジックが可視化されているため、担当者が増えても特別な教育なしで即座に運用を共有できる体制が整えられているといいます。
今後の展望について、大野氏は「業務部門の従業員がさらに積極的に、自立して業務改善を行える環境を作りたい」と意欲を見せます。
これまでは、DX部門がアプリ開発を担っているケースも多かったそう。開発ルール・ガバナンスを整理をすることで、今後現場主導で業務改善が回るようになれば、DXはそれを支援・後押しする立場にシフトしていきたいと考えているようです。
「そのためには、システム部門が全てを作るのではなく、現場がアプリを開発する際の役割分担やガバナンスを明確にすることが不可欠です」(大野氏)
開発に当たっては、トヨクモからのリリースやトヨクモクラウドコネクトからの情報提供、トヨクモkintoneフェスなどのイベントで知った活用事例なども活用されています。
ぜひ、真似してみたいと思った活用法があれば、何度でもご利用可能な30日間の無料お試し期間をご活用ください。
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記事公開日:2026年7月10日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります。
この事例で活用した機能はこちら
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kViewer|無制限のビュー作成 | kintoneの情報をさまざまなビュー(表示形式)で外部に公開できるkViewerの基本機能です。マウス操作だけ、ノーコードでカンタンに作成できます。レコード内の公開したい情報だけを表示させることも可能です。 |




