販促ツールの作成時間を279時間削減、約17万件の新規接点を獲得!マーケティングに大活躍したトヨクモkintone連携サービス活用事例
サントリーコーポレートビジネス株式会社は、サントリーグループ各社が扱う多種多様な商品やサービスを、法人顧客向けに提供している企業です。
同社は、Excelやメールなど、複数のツールを併用して行なっていた業務を効率的に行うため、2021年にkintoneを導入しました。その後、既存の販促ツールの作成工数を減らすこと、新たな販促ツールを投入することを目的に、PrintCreator、FormBridge、kViewerを導入。
kintoneとトヨクモkintone連携サービスを組み合わせることで、販促ツールの作成業務の効率が上がっただけでなく、営業担当者の行動ログや、コンバージョン率の管理もできるようになりました。また、案件管理やセミナーの予約管理に伴う業務改善も実現したと言います。
本記事では、サントリーコーポレートビジネス株式会社 経営企画部 広谷様、石田様、同社からの委託でサポート業務を引き受けているサントリービジネスシステム株式会社 コラボレイティブセンター 鈴木様、伊藤様よりお話を伺いました。
「ツール間の往復をせずに、スマートに仕事がしたい」という思いからkintone・トヨクモkintone連携サービスを導入
同社では、様々な業務において複数のツールを併用したり、手入力をしたりする非効率な業務フローに課題を感じていました。例えば、販促ツールの受発注業務では、メールでやり取りした内容をExcelへ転記し、ステータスに変更が生じる度にExcelを更新しなければいけないため、転記ミスや転記漏れが発生していたそうです。企業向けセミナーの予約管理も同様に、講師との日程調整や連絡事項のやり取りをメールで行なっていたため、メールの確認漏れや、進捗を確認するためにメールを1件ずつ遡る手間が発生していたと言います。
「Excelとメールだけで案件を管理していると、案件ごとのステータスをリアルタイムで把握しづらいため、どうしても抜け漏れが発生してしまうんです。でも、現状のまま抜け漏れを予防しようとすると、Excelのシートを工夫したり、新しくルールを設けたりと、さらに工数が掛かってしまう。このもどかしい状況を、いち早く解消したいと思っていました」(広谷氏)
そして、業務効率化ツールについて情報収集をしている中でkintoneを知った広谷氏。導入の決め手について、次のように話します。
「kintoneと同価格帯の他社製品と比較したときに、kintoneは機能の柔軟性と拡張性に長けていると感じました。また、最小5ユーザーから契約でき(※)、お試し感覚でスモールスタートできる点も魅力的で、検討開始から1ヶ月ほどで導入に至りました」(広谷氏)
※2024年秋より、kintoneの最小契約ユーザー数は10に変更されています。
kintone導入後、案件の管理に伴う業務をkintone上で完結できるようになった同社。各案件のレコード画面でコメントのやり取りができるため、面倒なExcelとメールの往復が不要になり、情報共有のタイムラグや業務の対応漏れも減少しました。
こうして業務改善が進んだ同社ですが、まだ解決できていない課題がありました。それは、販促ツールの作成業務の効率化です。
そこで同社は、以下の理由からFormBridge、kViewer、PrintCreatorの3製品を導入。クオリティの高い販促ツールを少ない工数で作成できるよう、kintoneとトヨクモkintone連携サービスを活用し、業務フローを整えていきました。
■PrintCreator:販促ツールのリーチ数を計測するために必要なQRコードを、kintone上の情報から自動生成し、印刷物に貼付できるところに魅力を感じたため。
■FormBridge:kintoneアカウントを持たない営業担当者も、フォームを通じて販促ツールの発注に関する情報をkintoneに登録できるため。
■kViewer:フォームの入力項目のマスタにkViewerを活用することで、手入力に伴う工数とミスを削減できるため。
販促ツールの作成から予約管理まで。kintoneの可能性を最大限に引き出すトヨクモkintone連携サービス
kintoneとトヨクモkintone連携サービスにより、業務改善だけでなく顧客との接点拡大も実現した同社。ここからは、具体的な活用事例を2つご紹介します。
【活用事例①】約17万件の接点を獲得!QRコード付き販促ツールの受発注管理・作成業務
<導入前>
前述の通り、同社は販促ツールの受発注業務をメールとExcelで行っていました。また、これまで販促ツールはPowerPointで作成しており、QRコードを掲載する際は、個社ごとに異なるQRコードを生成し、画像で保存、PowerPointへ貼り付け……と、多くの工数が発生していました。
<活用方法:FormBridge、kViewer、PrintCreator>
現在は、販促ツールの発注フォームをFormBridgeで作成したことで、kintoneアカウントを持たない営業担当者も、kintoneの受発注管理アプリに必要な情報を登録できるようになりました。 もちろん、従来のように発注の度にメールを作成する必要もありません。また、入力項目のマスタに「kViewerルックアップ(※)」を活用することで、入力の手間を最小限に抑えています。
※kintoneに用意したデータをマスタとして、フォームに呼び出せる機能のことです。プレミアムコース以上で利用可能です。
設定方法や利用例は以下の記事をご参照ください。
https://guide.kintoneapp.com/formbridge/kviewer-lookup/
▲FormBridgeで作成した販促ツールの発注フォーム。虫眼鏡マークを押すと、kintoneに登録されている情報を呼び出せる
▲フォームの回答が登録される、kintoneの受発注管理アプリ
そして、受発注管理アプリに登録された情報から、PrintCreatorでQRコードを自動生成し、印刷データに反映させれば、QRコード付き販促ツール(カード)の完成です。 QRコードの遷移先URLを個社ごとに出し分けることでリーチ数の計測が可能となり、このカードは月20〜30案件、1案件あたり平均200部ほど発行されています。
▲PrintCreatorの設定画面。受発注管理アプリのレコード詳細画面にある「出力」ボタンを押すと、ワンクリックでkintoneに登録しているURLがQRコード化され、印刷データに載った状態で出力される
▲完成した販促ツール(PrintCreatorで出力)
<導入後>
販促ツールの発注がフォーム上で完結するため、メールを手入力する手間が省けました。また、kintone上で受発注管理ができるため、メールでの煩雑なやり取りが不要になり、案件ごとのステータスを誰でも簡単に把握できるようになりました。
「印刷確認、発送確認、発送日の項目を受発注アプリに追加することで、自分が次にやるべきことや、残りのタスクを一目で確認できるようになりました。また、レコード詳細画面のコメント機能で担当者とリアルタイムでやり取りができるため、認識齟齬や抜け漏れが起きにくくなりました」(伊藤氏・鈴木氏)
そして、kintoneとトヨクモkintone連携サービスを組み合わせることで、販促ツールの作成業務の大幅な工数削減に成功。受発注管理アプリからワンクリックで販促ツールを出力できるようになり、作業時間は279時間削減、QRコード付きの新たな販促ツール(カード)の投入により、新たな接点を17万件以上獲得したそうです。
さらに、kintone上に営業活動のログを蓄積していくことで、販促ツールの投入状況やコンバージョン率が分析できるようになったことも大きな変化です。
【活用事例②】空き状況を一目で確認!2社間で行うセミナー予約管理
同社では、グループ会社に所属する講師と連携して、顧客企業向けに健康に関するセミナーを提供しています。
<導入前>
kintone及びトヨクモkintone連携サービスを導入するまでは、講師とのスケジュール調整をメールで行っていました。しかし、受信ボックスの中でメールが埋もれてしまったり、講師の空き状況をリアルタイムで把握できなかったりと、運用方法に課題を感じていたそうです。
<kViewer導入後>
そこで同社は、kViewerのカレンダービューを活用し、講師の空き状況をリアルタイムで共有できるようにしました。仕組みは以下の通りです。
1.講師が対応可能な予約枠をkintoneの日程管理アプリへ登録
2.登録された情報が、kViewerを通じてカレンダーに反映される
▲kintoneの日程管理アプリ。予約可否が○/×で表示され、一目で確認できる
▲講師の日程管理を行っているkViewerのカレンダービュー
また、セミナーの予約フォームはFormBridgeで作成し、kintone上で予約管理を行っています。日程確定後の連絡やステータス管理もkintone上で完結できるため、セミナー運営をスムーズに行えるようになりました。
▲FormBridgeで作成したセミナーの予約フォーム
▲FormBridgeのフォームで受け付けた申込データは、kintoneの申込一覧アプリへ直接登録される
▲kintoneのレコード詳細画面のコメント機能にて、伝達事項をやり取りできる
kintone・トヨクモkintone連携サービスによって、工数削減・抜け漏れ防止・営業活動の可視化を実現
同社は、kintoneとFormBridge、kViewer、PrintCreatorを導入したことで、業務改善だけでなく、営業活動の効率化も実現しました。
「kintoneを導入したことで、案件ごとのステータスを一覧で管理できるようになり、対応の抜け漏れが減少しました。 これだけでも大きな変化でしたが、トヨクモkintone連携サービスを組み合わせることで、kintoneアカウントを持たない人とのコミュニケーションや、情報の入力工数の削減、販促ツールの作成業務の効率化まで実現できました。今や営業活動に欠かせない存在です」(広谷氏)
そして、数ある連携サービスやプラグインの中から、トヨクモ製品を選び続けている理由を次のように話します。
「トヨクモ製品はkintoneのドメイン1つにつき1契約で利用できるため、導入のハードルが低い点が魅力です。実際に使ってみて、コストパフォーマンスも優れていると感じています。また、製品間連携に優れており、3製品をシームレスに利用できる点も気に入っています。日頃からスピーディーにアップデートが行われており、どんどん使いやすくなっていくところもユーザーとして嬉しいです」(広谷氏)
最後に、今後の展望を伺いました。
「kintoneやトヨクモkintone連携サービスの良いところは、コミュニケーションを取りながらその場で仕組みを改善していける点です。子育てに忙しく就労環境の制限がある人ともスムーズな業務連携ができますし、現場で手を動かしてくれている若者から思いがけない提案をもらうこともあります。自分と違う専門性の高い人や多様な視点からの気付きをもらいながら、業務改善が進められることを楽しんでいます。
当社が大事にしている企業理念は「人間の生命の輝きを目指す」ことですが、これをITツール活用によるDX推進で実現していきたいと考えています」(広谷氏)
記事公開日:2024年11月13日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります