必要なシステムは自分で作る——2,200人超の電力インフラ企業がユーザーライセンスで実現したスピード業務改善
企業紹介
北陸エリアの電力インフラを支える、従業員数2200人規模の企業
全社一括のkintone環境を活用し、部門を跨いだDXや市民開発を推進
課題
新規システム開発にかかる、現場と情シスの詳細な打ち合わせや外注費が負担に
kintone連携サービス導入後、利用者数の拡大に伴ってアカウントの調整業務が発生。月2時間の工数が情報システム部を圧迫
解決策
配電部署が見つけたFormBridgeとkViewerを導入し、現場主導の業務改善がスタート
ユーザーライセンスを導入し、各本部のkintone担当者向けにライセンスを複数購入。複数人が同時に設定・運用できる体制を構築
効果
各部担当者がフォームやビューを自ら作れるようになり、業務改善の幅が拡大。
情報システム部がライセンス調整にかける時間が大幅に減り、市民開発はさらに加速

北陸エリアの電力インフラを支える北陸電力送配電株式会社では、2,269人の従業員が全社一括のkintone環境を活用しながら、部門をまたいだ市民開発を積極的に推進しています。
『FormBridge』『kViewer』『PrintCreator』の導入をきっかけに現場の業務改善が加速する一方、情報システム部を悩ませていたのがアカウント調整という「見えないコスト」でした。今回は、同社の情報システム部門でkintone管理を担う松浦氏に、ユーザーライセンス導入の経緯と現在の運用体制についてお話を伺いました。

▲情報システム部:松浦高暁 氏
「カラスの巣」から加速したDX!FormBridgeとkViewerが広げた市民開発の波
北陸電力送配電株式会社がkintoneを導入したのは2023年7月頃のこと。当初の目的は、部門ごとにサイロ化していた情報や業務を、全社横断の観点から一元管理することにありました。
しかしkintoneの活用に慣れるにつれ、現場から「社外の人と情報をやり取りしたい」という需要が高まり始めます。その背景にあったのが、電柱上のカラスの巣をお客様に報告していただく「鳥の巣投稿キャンペーン」です。
「カラスなどの巣が電柱の上にあると事故や災害の原因になってしまうので…。一般利用者の方に、見つけたら写真をくださいねというキャンペーンをしていたんです。新規のご報告をいただいたときには、謝礼もお送りしていて。ただ、受付方法がチャットだったので、報告内容が新規のものか既出のものか確認するのが、大きな負担になってしまっていました」(松浦氏)

▲北陸電力送配電株式会社 様「鳥の巣投稿キャンペーン」ページ
この課題を解決するため、配電部署の担当者がトヨクモのkintone連携サービスを独自に見つけ、「FormBridgeとkViewerを使えば自動化できるのではないか」と情報システム部に持ち込んだことが導入のきっかけとなりました。フォームでの受け付けに変わったことで投稿側の手間も減り、現場での活用も勢いよく広がり始めます。社内掲示板でkintone連携サービスのツールを紹介すると、反応は上々でした。
「こういうものあるんですねって、結構食いつきはいいですね。これがあるんだったら社外の人とやり取りするようなシステム作りたいんだけど、みたいな相談は結構受けていました」(松浦氏)
さらに、機材の情報をシールに印刷して箱に貼りたいという現場の要望をきっかけに、PrintCreatorも追加導入。数多くのフォームやビューが現場で稼働しており、市民開発の文化が着実に根付いてきています。
▲FormBridgeを使った、「鳥の巣投稿フォーム」の画面イメージ
広がる業務改善と増える「ライセンス待ち」が生んだ、月2時間の板挟み調整
kintone連携サービスが順調に活用されていく中で、情報システム部には新たな負担が積み重なっていました。FormBridgeとkViewer導入当初の約1〜2か月間、各部担当者がフォームやビューを作成・編集したいときには、情報システム部がアカウントを1つ担当者に貸し出す運用で対応していました。
ただ、当時のFormBridge、kViewerの仕様では、サービスにログインできるアカウントは2つのみ。このうち1つのログイン用メールアドレスを都度利用者のものに切り替え、期間を決めて貸し出していたのです。複数人で利用したいタイミングが重なれば、情報システム部が間に入って空きを作るための調整を担わなければならない構造でした。
「すぐに使わせてください、という方がいらっしゃると…当時は全然空きがなかったので。他の方とメールやり取りして、『すいません、空き作れませんか』みたいなことをやらせてもらった時期がありましたね。」(松浦氏)
当時この調整業務にかかっていた時間は、月2時間ほど。 現場の市民開発が加速するほど、この調整工数は雪だるま式に膨らんでいきます。情報システム部が感じていた「このまま続けるのはしんどい」という確信が、次の選択へとつながっていきました。
「これは絶対いる」——先行投資としてのユーザーライセンス導入
ユーザーライセンスの存在を知ったきっかけは、トヨクモから届いた案内メールでした。利用者が着実に増える現場の状況と重ね合わせた松浦氏は、すぐに必要性を確信します。
「お知らせのメールをいただきましたよね。そこで知って、これから多分いっぱい使われるから試しに買おうかという話になりました。利用規模的には絶対いるかなと、そういう風に感じましたね」(松浦氏)
ユーザーライセンスの導入は、松浦氏から上長に提案されたと言います。金額がそれほど大きくなかったこともあり、社内稟議は不要。スムーズな意思決定でした。
購入数の決め方もシンプルでした。各本部のkintone担当者のうち、主に使いそうな3部門を基準に必要数を割り出すというアプローチです。運用開始後、利用頻度に合わせて契約数を増減させるなど、実態に合わせた柔軟な見直しも実施しています。
「今の利用規模だと間違いなく回ってなかったので、非常に助かってます。調整の時間は絶対減っていると思います」(松浦氏)
利用規模の拡大を見据え、まずは課題が大きくなる前に先手を打つ。そして、より実態に沿った形に契約を整えていくことで、コストパフォーマンスも改善させていきました。
ユーザーライセンスが実現した「現場主導のシステム開発」で開発工数を大幅削減
北陸電力送配電株式会社での現在の運用方針の核は「民主化」です。各部門の担当者が自らアプリやフォームを作り、情報システム部への依存を減らす体制をめざしています。
「民主化っていうことで、皆さんに使ってもらっています。各部門にkintone担当を設置していて、情報システム部の次に舵を取る立場として部門の面倒を見てもらってますね。ライセンスについても基本この方にお貸ししていますが、要望があれば注意事項を言った上で個人に貸し出したりもします」(松浦氏)
ユーザーライセンスは各本部のkintone担当者に対し、必要に応じて1ライセンスずつ付与されており、kintone連携サービスの設定に携わったことがあるメンバーは現時点で10〜11人程度。利用者も固定化されてきました。ライセンスに空きがない場合は情報システム部が「代わりに設定しましょうか」と提案することもありますが、FormBridgeやkViewerは現場担当者が自発的にマニュアルを参照しながら設定を進めていく場合が多いとのことです。
一方、情報システム部としてのセキュリティ管理も欠かしません。kViewerで個人情報を扱わないことを社内ルールとして定め、「kViewerやFormBridgeにこの情報は載せてはダメ」と担当者へ繰り返し周知を行っています。システムの編集権限を詳細に分ける「編集者ライセンス」や「監査ログ機能」などユーザーライセンス固有の機能は現時点では利用しておらず、口頭周知とルール整備を統制の手段としている状況です。利用者が増え、ルールの徹底が難しくなってきたときには、これらの機能が重要な役割を果たすことになると見据えられています。
こうした運用体制が整ったことで、削減されたのはアカウント調整のやりとりに費やしていた時間だけではありません。市民開発の浸透が情報システム部の役割を根本から変えつつあります。以前は情報システム部と各部門のシステム担当者が打ち合わせを重ね、外部への発注コストも発生していた開発案件が、kintoneとFormBridge・kViewerを活用した市民開発に置き換わっていきました。
「システムを新規開発しようとしたら膨大な業務や費用が発生するところを、既存のkintoneとFormBridge、kViewerとかに置き換えることで、コストがすごい抑えられたみたいな話をよく聞きます」(松浦氏)
今では、情報システム部がkintone連携サービスの設定作業に手を動かす時間は、月に1時間あるかないか。本来の情報システム部業務に集中できる環境が整っただけでなく、情報システム部の開発担当と各部門のシステム担当が打ち合わせを重ねて仕様を決めるプロセスそのものがなくなった案件もあります。
松浦氏が理想として描いた「みんなが好きに、安全にシステムを作れたら」という運用が、確実に成果を出し始めています。
「まずは1つ」の導入が変えた、業務改善スピードと情報システム部の働き方
ライセンス調整工数の削減と、市民開発の推進という二つの成果を手にした北陸電力送配電株式会社。
松浦氏が今後に期待するのは、ログ機能の活用です。利用者が増えるほど、誰が何をしたかを追跡できる仕組みの重要性は高まります。口頭周知やルール整備で対応できる範囲には限りがあり、ログによる客観的な記録が情報管理の信頼性をさらに高める基盤になると松浦氏は見ています。
同じように、アカウント調整や設定依頼の集中に悩む情報システム部担当者へ、松浦氏はこうメッセージを送ります。
「調整やシステム開発に時間を取られているのであれば、まずは1つ買って見ることをおすすめします。少数からでも購入できますし」(松浦氏)
ユーザーライセンスは1ライセンスから購入でき、kintone連携サービスの無料お試し期間中には、無料で追加利用することも可能です。現場のDXを情報システム部主導で加速させたい担当者の方は、ぜひトヨクモkintone連携サービスの無料お試しや、ユーザーライセンス機能をご活用ください。
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記事公開日:2026年7月30日(ご承諾いただいた日付を記載します)
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります。
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