ホーム

住野工業株式会社 様

kintone × トヨクモkintone連携サービスで多彩な業務改善!広島の自動車部品製造業の活用事例6選



住野工業株式会社は広島県に本社を置く自動車用プレス板金部品の製造を手掛ける企業です。1906年の創業以降、金型の設計から表面処理まで自社で一括生産を行っており、グループ会社を含み、国内に6拠点のほか、海外にも3拠点を有しています。

国内外問わず多くの取引がある一方で、経理については属人的で紙をベースとした運用管理が行われており、さまざまな面で課題を抱えていました。こうした課題を解決するため、2017年10月にkintoneを、その後2018年から順次『PrintCreator』『FormBridge』『kViewer』『kBackup』を導入。今回はDX推進本部の吉田 史哉氏に、導入のきっかけとなった課題や、トヨクモkintone連携サービスの具体的な活用法と効果についてお話しいただきました。


DX推進本部 吉田 史哉氏

kintoneで属人性と紙での管理課題を解決

「経理部には管理会計だけでなく、社内の重要な情報が集まっている」という吉田氏。実際に住野工業の経理部門では契約書類や決算資料など、多岐にわたる情報を保有していました。これらの引き継ぎや情報共有には主にExcelを使用するとともに、長期間の保管は紙媒体で行っていたことから、さまざまな課題を抱えていたといいます。

「データは社内の共有ファイル上で保管していましたが、私がわかりやすいと思った形で作成していた一方、他の部員によってはわかりにくい部分があったようです。さらに、弊社のメールサーバーは古いデータから定期的に削除される仕組みになっていたので、過去のメールのやりとりが残らないことも課題でした。

こうした状況もあり、各部員への業務の申し送りには紙を多用していましたが、長期間にわたり必要になる情報だったため、保管するフォルダの量が年々増えていく状況でした」(吉田氏)

属人的な情報管理や紙媒体での管理に課題を感じた吉田氏。経理部内で取引履歴と経験等の知識を共有できるシステムはないかと探していた際、とある展示会で出会ったのがkintoneだったそうです。2017年の導入当時、経理部門では吉田氏ともう一人の計2名でアプリを作成し、6名の部員で運用していたそうですが、直感的なUIで、すぐに使い始めることができたといいます。

こうして導入されたkintoneによって、情報の場所をわかりやすく、履歴を残して業務の引き継ぎをスムーズにするという目的がすべて達成できたといいます。

「事例の一つに決算業務が挙げられます。基本的に年に一度の作業となるため、これまで私が属人的に作業していましたが、組織としてはあまり望ましい形ではないため、kintoneによって誰もがわかりやすく、活用できる形で運用できることを目指しました」(吉田氏)
煩雑で細かな業務内容を伝えるために、吉田氏は仕事内容を日報形式で記録。5W1Hが分かるようにアプリの項目を作成することで、誰が何をいつ行うのかを明確にしたといいます。

また、住野工業は国内だけでなく海外にも3つの法人拠点があるため、海外2社分の管理会計の月次決算業務を行う必要がありました。

「これにはAPI機能を活用することで、管理会計業務の工数削減も実現させました。経理部門では毎月月次決算の報告書を作成しなければなりません。これまでは財務会計用のデータを吐き出してExcelにして打ち替えて作成していたのですが、どうしても転記の際に間違いが生じることがありましたし、作業には毎回丸2日かかっていました。

これまでは各国の財務会計や月次決算書を作成後、それぞれ現地の言語に翻訳し、さらに為替も変更したうえでExcelに転記していました」(吉田氏)

kintoneとAPI連携によって、こうした集計を自動的に反映することに成功。これまで丸2日かかっていた作業を0.5日に短縮することができたそうです。

経理だけじゃない!多様な場面で活躍するトヨクモkintone連携サービス活用事例



わかりやすく整理されたkintoneの購買システム運用スペース


操作に迷わないようわかりやすく作られた一般購買システムアプリ画面

kintone導入によって経理部門のデータ保存や情報共有の課題を一気に解決した住野工業。トヨクモkintone連携サービスは、この中での多様な側面でご活用いただいております。それぞれの活用事例についてご紹介してまいります。

活用事例1:PrintCreatorで財務帳票の印刷がスムーズに!


先程ご紹介した管理会計業務の工数削減の仕組みには、PrintCreatorによるPDF抽出も組み込まれています。

「帳票作成で必ず発生するのがPDFによるデータの吐き出しや印刷です。kintoneを導入したものの、標準の印刷機能では思うような形にならないと感じたことから、PrintCreatorを活用することにしたのです」(吉田氏)

住野工業ではこれら一連の会計システムを『SK-kaikei』と命名し、パッケージシステムとしました。このパッケージでは社員1人あたりの売上高や貸借対照表や損益計算表などが一度に印刷できます。これらをレイアウトの調整なく印刷できることで、工数削減に大きく寄与しているのだといいます。

kintoneのポータルの最初の部分に『SK-kaikei』などアプリ名を命名し配置

PrintCreatorで出力した『SK-kaikei』の損益計算表

「弊社ではさらに、海外拠点2社のPDFは国内の管理会計帳票と同じ見え方になるように、PrintCreatorでレイアウトを調整しています。本来であればこうした調整は、PDFでの出力や印刷の際に都度必要になるので、それだけでも時間がかかってしまいます。

こうした調整を毎回行う必要なく、ボタンを押せば各国ともに一気にPDFを作成できたことは、工数削減の要因の一つとなっています」(吉田氏)

活用事例2:PrintCreatorで注文書印刷枚数を14.2%削減!


住野工業では、これまで別システムで出力していた注文書をPrintCreatorに置き換えることにより、印刷枚数の削減にも成功。住野工業では2024年10月から、社内で購入する商品の注文書をkintoneで作成し、印刷にPrintCreatorを活用しています。

見た目が変わると抵抗感があるため、レイアウトはこれまでのシステムと同じになるように調整。一方で、注文書1枚に記載できる商品点数が大幅に増えたことから、印刷枚数の削減が実現できたのだといいます。

「以前のシステムでは注文書1枚につき1商品しか記載することができませんでした。そのため一つの会社に2つの商品を注文する場合でも2枚出力する必要がありました。しかしPrintCreatorの柔軟な印刷設定により、1枚の注文書に2商品以上記載することができるようになったのです。



PrintCreatorで出力した注文書。1枚に複数行を表示できるように

その結果、以前のシステムを使っていたときと比べて、10月から4ヶ月間の累計印刷枚数を14.2%削減することに成功しました」(吉田氏)


以前使用していた注文書(左)とPrintCreatorで作成した注文書。見え方を変えずに1枚あたりの商品点数を増やすことで印刷枚数の削減に成功

さらに吉田氏は、kintoneとPrintCreatorへの置き換えによって枚数以上の効果が生まれているといいます。

「以前のシステムではできなかったクロス計算ができるようになったこことなども踏まえると、実際の効果はさらに大きいと感じています」(吉田氏)

活用事例3:kViewerで金型進捗管理!kintone導入の糸口としても活用


住野工業では、まだkintoneに慣れていない方のためにkViewerによる情報の可視化を行いました。その一つがテクニカルセンターでの活用事例です。テクニカルセンターでは金型の製造や修理を行っており、その進捗管理にkViewerをご活用いただいております。

「テクニカルセンターのメンバーはまだkintoneに慣れていないので、より手軽にkintoneの情報を閲覧いただくためにkViewerを採用しています。具体的にはkintoneにある新規金型進捗表と修理金型進捗表をkViewerで確認できるようにしました。




新規金型進捗表のkViewer画面がすぐに確認できるようにポータルにURLが表記されている


クリックするとkintoneの情報がすぐに確認できる

これまではExcelで管理していたのですが、全体が見づらかったり、誤って上書きしてしまったりするなど課題を抱えていたのです。それらが改善できたことはもちろん、kintoneにまだ慣れていない社員の活用の糸口としてもkViewerは活躍してくれています」(吉田氏)


以前使用していたExcelの金型改造・修理予定表データ



現在kintoneで運用している金型工事番号台帳画面

活用事例4:kViewerで会議室の予約情報を誰でも閲覧可能に

またkViewerは社内の会議室予約を確認する手段としても活用されています。

住野工業では社内の3つの会議室の予約状況をkintoneで管理しているものの、アカウントを持たない方が利用状況を確認することも。そこで、kViewerで誰でも会議室の予約情報を確認できるよう仕組み化したことで、アカウントを持たない方も会議室の予約状況が確認できるようになったといいます。


kintoneで管理している各会議室予約表画面


kintoneアカウントがない方も確認できるようkViewerでも確認できるようになっている

活用事例5:PrintCreatorでカーボンニュートラルに対応!

住野工業ではカーボンニュートラルの取り組みとして、各工場の消費する電力やガソリンなどをkintoneで集計しています。毎月のCO2排出量をグラフ化できるアプリは『SK-kankyo』と名付けられ、活用いただいております。

「各工場の必要な情報を集計し、その結果をPrintCreatorで見やすく出力できるようにしています。CO2の集計は、こうしたシステムがないと対策は難しいのではないかと感じています」(吉田氏)


PrintCreatorで作成されたCN_CO2排出量合計一覧

活用事例6:kBackupでkintoneの情報をバックアップ!

さまざまな業務でkintoneを ご活用いただいている住野工業ですが、 過去に誤ってフィールドを削除した苦い経験があるといいます。その経験から バックアップの重要性を感じ、トヨクモkintone連携サービスのkBackupの導入を決めたそうです。

「多くのアプリを作成しているからこそ、バックアップは必要不可欠だと感じています」(吉田氏)

ノーコードで高度な課題解決を実現するトヨクモ連携サービス

その他にも、研究開発税制活用のための当該業務時間のカウントなど、ビジネスの多様なシーンでトヨクモkintone連携サービスをご活用いただいている住野工業。最も効果を感じているのは、単なる転記作業から高付加価値な業務に時間を使えるようになったことだといいます。


FormBridgeで作成された研究開発税制活用のための当該業務時間申請フォーム


kintoneで研究開発税制活用のための当該業務時間をカウント

トヨクモkintone連携サービスはどんな方におすすめしたいかを伺ったところ、「ノーコードで高度な機能を実現したい方や、柔軟なカスタマイズが必要な方」とお答えいただきました。

業務改善に悩んでいるものの、ITツールの導入には抵抗感がある。そんな思いをお持ちなら、一度トヨクモ連携サービスの30日間の無料お試し期間を活用し、自社にマッチするかどうかチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

記事公開日:2025年3月13日 ※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります