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株式会社カクイックス様

アンケート集計時間を85時間削減、書類作成時間を1/6に短縮!アナログ業務のデジタル化を続々と実現したトヨクモkintone連携サービスの活用方法


医療・福祉施設向けにリネンのレンタルサービスを行う株式会社カクイックス。同社では、新規事業を開始するにあたって、顧客情報や在庫情報などを一元管理するとともに、病院内と社内の担当者間のやり取りをセキュアな環境で行うことが求められていました。しかし、従来の業務システムではこれらの要件を満たすことができませんでした。

そこで同社は、kintoneとトヨクモkintone連携サービスを導入。kintoneを基盤として情報の一元管理を実現するとともに、トヨクモkintone連携サービスを活用することで、新規事業の立ち上げに加え、様々な業務プロセスの自動化、効率化に成功しました。

本記事では、株式会社カクイックス 管理部オペレーション課の福元浩一様、管理部情報システム課の鬼塚直己様、田之上翔太様、早川友紀様、営業部の中園恵三様にお話を伺いました。

▲福元様、鬼塚様、中園様、早川様、田之上様

セキュアかつ円滑な情報連携を実現するためkintoneを導入

同社では、社内のデータベースとしてサイボウズデヂエを活用していました。サイボウズデヂエはCSVファイルでのデータ連携が中心だったため、データを更新する度に新しくCSVファイルを作成する必要がありました。日々更新が発生する顧客や商品に関するデータも例に漏れず、各種データの更新、参照、連携に手間がかかっていたと言います。

このような課題を抱えていた同社は、2016年にkintoneを導入。担当者が展示会でkintoneを知ってから4年後のことでした。

導入に踏み切ったきっかけは、新規事業である入院セットのレンタルサービスを開始するにあたり、セキュアな情報共有基盤の構築が急務になったこと。病院に常駐しているコンシェルジュと社内の担当者が、異なるネットワーク環境下でセキュリティ性を高く保ちながら、円滑な情報共有を行える環境が必要だったのです。

そこで同社は、アクセス権限の設定やゲストスペース機能によって必要な情報だけを安全に共有できる点に魅力を感じ、kintoneを導入。病院ごとにゲストスペースを作成し、セキュアな情報共有基盤を構築しました。

▲病院内のコンシェルジュと社内の担当者がやり取りをする問い合わせ管理アプリ

さらに、コンシェルジュから社内への問い合わせ、顧客リスト、配布業務表の作成など、入院セットのレンタルサービスに必要な業務をすべてkintone化し、わずか2ヶ月でサービス提供の準備を整えることに成功しました。

▲病院単位で作成しているゲストスペース

トヨクモkintone連携サービス導入により、アナログな業務を続々とデジタル化。業務効率化とペーパーレスを叶えた活用例8選

同社はさらなる業務効率化を目指し、トヨクモkintone連携サービスを段階的に導入していきました。トヨクモkintone連携サービスの魅力について、早川氏は次のように話します。

 「トヨクモ製品は、アフターフォローが手厚く、製品情報も充実している点が魅力です。分からないことがあってもWeb上で問い合わせればすぐに解決策が提示されますし、活用事例も豊富に掲載されているため、非常に助かっています」(早川氏)

活用例1.【PrintCreator】配布業務表作成

入院セットのレンタルサービスを提供する上で欠かせないのが、お客様に配布する物品が記載された配布業務表です。配布業務表は、現場のコンシェルジュが配布済みのチェックを付けたり、メモをしたりする際にも使用されるため、紙で出力することが必須でした。

そこで同社は、kintone上で管理・作成している配布業務表を、PDFとして出力できるPrintCreatorを導入しました。記載する内容はkintone上の情報と紐づいているため、他のデータを参照する手間がかからず、転記ミスも発生しません。

▲配布業務表の元となるデータを管理している顧客データアプリ

▲PrintCreatorで出力した配布業務表

活用例2.【PrintCreator】その他帳票作成

PrintCreatorは、その他の帳票作成においても成果を発揮しています。PrintCreator導入前は、顧客情報や請求金額を記載した請求書をWordで1件ずつ作成しており、1件あたり10分ほどの時間がかかっていました。しかし、kintoneとPrintCreatorを導入したことで、kintone上の顧客データや請求情報に基づいた請求書が自動で作成されるようになり、作業時間が1分に短縮されたと言います。

さらに、顧客ごとに請求書の書式が異なる場合でも、kintone上で設定したステータスに応じて、適切なフォーマットの請求書が自動で選択されるため、効率的かつミスのない請求書作成が可能となりました。

▲PrintCreatorで出力した請求書。kintone上に登録されている顧客情報が自動で反映される

また、これまで手書きで作成していたマットレスの洗濯依頼伝票においては、kintoneとPrintCreatorの導入により、作業時間が30分から5分に短縮されました。kintoneから直接情報を呼び出せるようになったことで、転記ミスや書き間違いもなくなり、業務の効率化と正確性の向上が実現。担当者がよりコア業務に集中できるようになりました。

活用例3.【FormBridge】社内アンケート

同社では1年に1度、社員から年次モットー(社内標語)を募集しており、その提出にFormBridgeを活用しています。

これまでは提出方法が紙一択だったため、Excelへの転記と、その後の集計作業に大きな負担がかかっていました。そこでFormBridgeを導入したところ、Webフォームからの提出が大半を占めるようになり、転記・集計にかかる作業時間が約85時間も削減されました。

▲FormBridgeで作成した年次モットー応募フォーム

活用例4.【FormBridge】メンテナンス依頼の受付

同社では、マットレスなどの製品のメンテナンス依頼にもFormBridgeを活用しています。FormBridge導入前は、全てのメンテナンス依頼を電話で受け付け、担当者がkintoneアプリに入力するフローを踏んでいました。そのため、電話を受けながら顧客からの依頼内容をkintoneアプリへ手入力する必要があり、担当者に負担がかかってしまっていたのです。

そこでFormBridgeを導入し、顧客がWebフォームから直接メンテナンス依頼を申し込めるようにしました。また、同社ではToyokumo kintoneApp認証を活用することで、顧客が自院で運用している製品の中から、メンテナンスを依頼したい製品を簡単に指定できるように工夫しています。

▲FormBridgeで作成したメンテナンス依頼フォーム。Toyokumo kintoneApp認証のログイン情報に紐付き、顧客ごとの運用商品が表示される

現在では、メンテナンス依頼のうち、全体の約40%にあたる337件がWebフォームからの申し込みへ移行。送信された内容はkintoneに直接登録されるため、転記ミスや伝達漏れが減り、電話対応や入力作業にかかっていた時間が8時間/月も削減されました。

FormBridge導入の効果について、早川氏は次のように話します。
「電話での受付では、メンテナンスをご依頼いただく商品の種類やサイズを正確に把握するのに苦労していました。商品数が膨大なため、電話でのやり取りはお客様にとっても負担だったと思います。FormBridgeを導入したことでこのような確認作業が不要になり、担当者にとっても、お客様にとってもストレスが減りました」(早川氏)

活用例5.【FormBridge】見積書作成フォーム

同社は、kintoneとFormBridgeを導入する前、Excelで見積書を作成していました。しかし、見積書を作成する度に商品名や商品コード、単価などが記載された別シートを参照する必要があり、製品数が膨大なことも相まって、転記ミスが頻発していたそうです。

▲従来使用していたExcelの見積書作成シート


そこでFormBridgeを導入したところ、Webフォームの設問に沿って必要な情報を入力するだけで、簡単に見積書が作成できるようになりました。Excelのシート間の行き来が不要になり、転記ミスが減少し、見積書1件あたりの作成時間は5分から3分に短縮されました。

▲FormBridgeで作成した見積書作成フォーム

▲PrintCreatorで出力した見積書。見積作成フォーム入力後、そのまま画面上でPrintCreatorで見積書を出力できる

また、これまでは社内のネットワークに繋がったPCでしか見積書を作成できませんでしたが、FormBridgeの導入によって、営業担当者がスマートフォンやタブレット端末を使って、外出先からも見積書を作成できるようになりました。FormBridgeとkintoneが連携しているため、見積の履歴がデータとして蓄積されるようになった点もメリットです。

活用例6.【kViewer】kintone内の情報をFormBridge上にマスタとして引用

同社では、FormBridgeをより一層活用するために「kViewerルックアップ(※)」を利用しています。


▲フォーム内「得意先CD」の虫眼鏡マークを押すと、kintoneの「得意先マスタ」の情報が表示される

「kViewerによって、FormBridgeの活用の幅が広がると考え導入しました。現在は主にマスタを参照する際に利用していますが、将来的には、病院内のコンシェルジュがkintoneの情報を閲覧できるようにするなど、他の用途にもkViewerを活用していきたいと考えています」(早川氏)

※kintoneに用意したデータをマスタとして、フォームに呼び出せる機能のことです。プレミアムコース以上で利用可能です。設定方法や利用例は以下の記事をご参照ください。
https://guide.kintoneapp.com/formbridge/kviewer-lookup/ 

活用例7.【kViewer】社外への発注に関する進捗管理

同社では、発注先企業との情報共有にもkViewerを活用しています。具体的には、発注の進捗をkViewer上で表示し、営業担当者がFormBridgeで行った発注依頼を発注先企業とリアルタイムで共有できるようにしました。これにより、営業担当者と発注先企業が現在の発注状況や未納品の数などを一目で確認できるようになり、情報共有がスムーズに行えるようになりました。

▲kViewerを通じて発注先企業と共有している発注の進捗管理画面

「kViewerを導入したことで、発注業務に伴う情報共有が円滑に行えるようになりました。また、発注依頼を行うフォームにはkViewerルックアップを活用し、社員番号を入力すると氏名が、商品コードをバーコードリーダーで読み込むと商品情報が自動で入力されるように設定しています。kViewerの様々な機能を活用することで、膨大な数の商品を効率的に管理できるようになりました」(早川氏)

活用例8.【DataCollect】在庫管理

同社は入庫・出庫管理をkintoneで行っていましたが、入庫数、出庫数を反映した在庫数は自動更新ができず、定期的にExcelへ手入力する必要がありました。

手入力による計算ミスや作業負荷に課題を感じていた同社は、kintoneアプリ間の集計ができるDataCollectを導入。毎日18時に自動で在庫数を更新するように設定し、更新作業の手間が省けるとともに、正確な在庫状況の把握が可能となりました。

▲在庫管理アプリ。「まとめてDataCollectする」ボタンを押下すると、任意のタイミングで最新在庫を確認できる

在庫管理の設定概要は以下記事をご参照ください。
https://toyokumo-blog.kintoneapp.com/inventory-allocation/

専門的な知識がなくても全社的なDXは進められる!kintoneとトヨクモkintone連携サービスを活用し、更なる業務改善へ

福元氏は、kintoneとkintone連携サービスの管理・運用を担当する早川氏について、次のように話します。
「今では情報システム課に所属し、kintoneの管理や運用を行う立場にいる早川ですが、実はこれまで情報システム関連の業務に携わった経験がありませんでした。これは、専門的な知識がなくても、kintoneとkintone連携サービスを活用することで、現場が必要とするシステムを構築できることを示しているのではないでしょうか」(福元氏)

kintone hiveやCybozu Daysで紹介されている他社の事例を参考に、各製品の活用の幅を更に広げていきたいと考えている同社。将来的には、kintoneとトヨクモkintone連携サービスを活用し、顧客との繋がりを強化するためのポータルサイトを構築したいと考えているそうです。

記事公開日:2024年10月3日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります