【教育業界】年間900時間の業務・印刷費削減、FormBridge・PrintCreatorを活用した関西外国語大学の業務改善事例
企業紹介
国際社会で活躍できる人材の育成を目指す教育機関
語学教育を中心に海外留学や異文化交流を積極的に推進し、実践的なコミュニケーション能力の向上に力を入れている
課題
奨学金の紙ベースの申請業務はコロナ禍で郵送・電話対応に切り替わり、紙が事務所を埋め尽くし、問い合わせで電話が鳴りっぱなしになった
多数の問い合わせに対し、膨大なファイルから該当書類を探すのに手間がかかっていた
教員の研究費残金状況の確認は都度電話やメールで対応し、年度末には資料印刷・配布に年間約1,200枚の印刷費用と工数が発生
解決策
奨学金業務はkintoneとFormBridgeでオンライン申請、PrintCreatorで願書生成・QRコード連携による書類管理、kViewerで学生・保護者向け進捗確認マイページを構築
教員への研究費残金状況通知は、kViewerとToyokumo kintoneApp認証を組み合わせて教員ごとのダッシュボードビューで随時確認できるように
重要なkintoneデータのバックアップにはkBackupを導入し、安全なデータ保護体制を整備
効果
奨学金業務において年間900時間の業務削減を達成
研究費資料の印刷・配布が不要となり、年間約1,200枚の印刷費用削減と、教員への迅速かつ確実な情報通知が可能になった
kintoneアカウントを持たない学生や教員、外部関係者との情報入力・公開が可能になった

関西外国語大学は国際社会で活躍できる人材の育成を目指す教育機関として、語学教育を中心に海外留学や異文化交流を積極的に推進。実践的なコミュニケーション能力の向上に力を入れています。
大学の教育を支える事務局は、これまで紙と対面をベースとした業務フローで進められていました。しかしコロナ禍時代の到来によって、特に奨学金業務において大きな支障をきたすことに。山積した課題解決のために導入されたのが、kintoneと複数のトヨクモkintone連携サービスでした。
今回は『FormBridge』『PrintCreator』『kViewer』『kMailer』『DataCollect』『kBackup』を導入された関西外国語大学 図書館学術情報センターの山本 大嗣氏にお話を伺いました。
▲関西外国語大学の山本 大嗣氏
紙と電話中心の業務に限界、改善への一歩
関西外国語大学では、長年にわたり対面による紙ベースで奨学金業務を運用してきました。しかしコロナ禍を機に、その仕組みは大きな壁に直面します。対面業務が難しくなり、申込みの対応は郵送やメール、電話に切り替わることになったのです。
その結果、学生から届く申込書が事務所の床を埋め尽くすほどに。こうした状況の中で最も大変だったのが、申請した学生や保護者からの問い合わせ対応だったといいます。
「奨学金は申請から給付まである程度の時間を要します。また普段書きなれない書式ということもあり、申請者から進捗や書き方に関する問い合わせを多数いただいていました。
当時の対応方法は電話かメールでしたので、事務局内は常に電話が鳴りっぱなしという状況でした」(山本氏)
さらに、奨学金は紙の書類での申請が必須だったことから、申請書類は紙のままファイリングして管理していました。そのため問い合わせがあれば、膨大なファイルの山から該当書類を探し出す日々が続いていたといいます。
こうした業務の課題は、その他でも見られていたといいます。
「例えば、各先生の研究費の残金状況などは、都度電話やメールで対応していました。年度末には、数百人の先生方一人ひとりに研究費についての資料を印刷・配布し、メールボックスにポスティングするという状況だったので、毎年約1,200枚分の印刷費用がかかっていました。
加えて、日本語ボランティア募集や、学生に出席・成績面での注意喚起を伝えるAcademic Warningもメールで運用されているなど、クラウドによる効率化とは程遠い状況でした」(山本氏)
kintoneとトヨクモkintone連携サービスで大幅な業務改善へ
業務の流れを根本から見直す必要性を感じた山本氏は、まずクラウドでデータを管理できるサービスを探しました。その際に候補に挙がったのが「kintone」でした。他サービスと導入事例を比較検討した結果、2020年7月にkintoneを導入しました。
「実は導入当初は活用できずに途方に暮れていたんです。でも隣の席の職員の困りごとをkintoneで解決したことから活用が進んでいきました」(山本氏)
その後、かねてから課題だった奨学金業務を効率化するため、フォーム入力や帳票出力の自動化が可能な連携サービスを検討。最初に導入したホームページ作成サービスの簡易フォームでは機能が不十分だったことから、翌春にFormBridgeを追加しました。
「導入にあたってはトヨクモさんの導入事例ページの、特に“自治体・公務”のカテゴリを大いに参考にしました。その中で奨学金業務にも汎用できそうなものがあったので、FormBridgeとPrintCreatorを導入したんです。kintoneと各種サービスを連結することでフローが整い、業務改善が一気に進みました」(山本氏)
FormBridge・kViewer・PrintCreatorで奨学金業務を効率化!年間900時間の業務削減に
ここからは、kintoneとトヨクモkintone連携サービスによって業務改善が進んだ具体的な事例をご紹介します。1つ目は導入のきっかけとなった奨学金業務です。
主に紙の申請書による対面で進められていた業務は、kintoneとFormBridge・kViewer・PrintCreatorの導入により以下のように大きく変わりました。
- 【学生】オンライン申請:学生がFormBridgeを通じてオンラインで申し込み。申請後、kintoneのレコード上には、FormBridgeの自動採番機能により申請者ごとの番号が割り振られる。
- 【学生】願書作成:申請情報をもとにPrintCreatorで生成された願書を印刷。願書に記載された必要書類を添えて事務局に提出。
- 【事務局】書類管理:申請書類をドキュメントスキャナでPDF化。PrintCreatorの機能により願書に生成されたQRコードを読み取ることで、kintone上のデータとの紐付けが可能に。
- 【学生・保護者】進捗確認:kViewerで生成されたマイページから申請状況を確認できる仕組みを整備。

▲FormBridgeで作成された奨学金申請フォーム。
▲FormBridgeで入力された情報はその年度の新規採用アプリに新しいレコードとして登録される。
この仕組みを採用することで、事務局でもっとも負担の大きかった学生や保護者からの電話やメール対応が激減。さらにFormBridgeの自動採番機能とPrintCreatorのQRコード生成機能を活用することで、紙のデータをkintone上で一括管理できるようになり、結果的に年間900時間の業務削減が実現できました。
▲kViewerによる2025年度新規採用マイページ。学生や保護者はここから審査状況が確認できる。
▲FormBridge入力後にPrintCreatorで生成された願書。
こうして、他大学では平均10名体制で行う奨学金業務を、関西外国語大学では7名の職員が他業務と兼務しながら対応できるようになったといいます。
一方、学生にとってもFormBridgeのステップフォームや条件分岐により入力が分かりやすくなり、提出漏れも減少。手続きの負担が大幅に軽減されました。
「今回のシステムの実装により、私たちだけでなく、学生にとっても手続きしやすい環境が整えられたというのが大きいなと思います。うちの大学の場合はトヨクモkintone連携サービスを活用していることが、これだけの効果を生み出せた理由だと思っています」(山本氏)
FormBridgeとkViewerで研究費情報をオンライン化!年間1,200枚の印刷が不要に
2つ目の事例は、大学の先生方への研究費情報提供業務です。
従来は、先生方から研究費残高などの問い合わせがあるたびに、職員が電話やメールで対応していました。年度末には数百人の先生方に対して研究費の使用状況を紙に印刷し、各研究室のメールボックスに配布。毎年約1,200枚にのぼる印刷と配布作業は大きな負担となっていました。
「研究費の情報共有は年度末に行いますが、それ以外の時期で知りたい方は、事務局にお電話をいただくこともありました。結果的に先生方にとっても私たちにとっても面倒で使いにくい仕組みになっていたのです」(山本氏)
こうした状況を改善するため、関西外国語大学ではFormBridgeとkViewer、およびToyokumo kintoneApp認証を活用。kViewerのダッシュボードビューで先生方が自身の研究費情報を閲覧できる環境を整備しました。
▲kViewerのダッシュボードビューで作成された研究費使用状況のダッシュボード
この仕組みの導入により、事務局は電話やメールによる問い合わせ対応が大幅に減少。年間約1,200枚の印刷帳票が削減できたほか、配布作業も不要となるなど、大幅な業務改善に成功しました。先生方にとっても、必要なときに自分で情報を確認できるようになり、利便性が大きく向上しているといいます。
「先生方からは利便性が良くなったというお声をいただいています。私たちも問い合わせが減ったことで、他の業務に時間を使えるようになるなど、両者にとって良い仕組みができたと感じています」(山本氏)
※ Toyokumo kintoneApp認証の機能詳細はこちらのページをご参照ください。
kViewerとFormbridge、kMailerでボランティア募集を自動化
また関西外国語大学では日本語ボランティアの募集業務にも複数のトヨクモkintone連携サービスをご活用いただいています。
関西外国語大学には多くの留学生が在籍していますが、日本語の授業で日本文化や習慣に関する新聞記事や小説の内容などについて、留学生と意見交換することを目的とした日本語ボランティア制度を採用しています。
「この業務フローも課題が山積していました。各教員からEXCEL形式で受け取ったファイルを、教務部でPDFに加工し、学生へ連絡。学生は教員へ直接メールして申し込みを行っていました。定員管理は人が行っていたため、教員から連絡を受けて教務部が募集状況を頻繁に更新していました。」(山本氏)
こうした状況を改善するため、関西外国語大学ではFormBridgeとkViewer、さらにDataCollectとkMailerを組み合わせ、オンラインでの募集フローを整備しました。
現在の業務の流れは以下の通りです。
- 【先生】募集数入力:FormBridgeで作成されたフォームから、各授業に必要な日本語ボランティア人数を入力。
- 【学生】応募:学生はまず最初にカレンダー形式のkViewerにアクセスし、Formbridgeで作成された別のフォームから応募。DataCollectによってフォームには先生があらかじめFormBridgeで入力した募集数が反映される。募集人数に達すると、募集枠は自動的にカレンダーから非表示になる。
- 【先生】応募数確認:エントリー状況は、それぞれの先生がkViewerで確認。先生は必要に応じて、直接学生へメールで連絡する。

▲学生が日本語ボランティアに応募するためにFormBridgeで作成された応募フォーム
▲日本語ボランティアを募集したい先生用にFormBridgeで作成された申請用フォーム
▲両者の情報は申込み管理アプリに集約される。
DataCollectを導入することで、先生が入力した募集数に対して応募数が超えないように設定することが可能に。先生はkViewerで確認ができるため、事務局を介しての業務がほぼなくなりました。
▲先生はkViewerで応募状況が確認できる。
「私たちの手を介さず対応できる仕組みが作れたことで、事務局の負担は大幅に減りました。さらにボランティア希望の学生にとっても先生にとってもスムーズに参加できる環境が構築できたと感じています」(山本氏)

▲ボランティア前日にはリマインドメールが自動送信されるように設定されている。
PrintCreatorとkMailerでAcademic Warningをデジタル化
4つ目の事例は、海外からの留学生を対象としたAcademic Warning通知です。
Academic Warningとは、留学生の学修状況に応じてサポートを行う仕組みです。これまではWordやPDF、メールなど複数のツールを介した手作業が多く、留学生への連絡やアドバイザーとの情報共有に時間がかかることが課題でした。
現在は、授業担当の教員がFormBridegeで、学生情報を入力し、当該のレコードからPrintCreatorで通知書データをPDF化し、kMailerで学生本人と担当教員の双方にメール送信します。
▲Academic Warningの対象となった学生にはkMailerを使ってkintone上から通知メールを送信できる。
▲kMailerのメール作成画面。学生の名前や必要情報は自動で入力されるように設定されている。
▲PrintCreatorでPDF化された通知書。
この仕組みにより、印刷・配布作業が不要となり、通知が迅速かつ確実に届くようになりました。
kintone情報はkBackupでしっかり守る!
さまざまな業務をkintoneと複数のトヨクモkintone連携サービスで運用していることもあり、関西外国語大学ではデータバックアップのためにkBackupを導入しています。
「柔軟にバックアップが取れることは安心にも繋がります。これでまた一つ構内の業務改善の環境が整ったと感じています」(山本氏)
トヨクモkintone連携サービスで無限大に広がる業務改善の可能性
奨学金業務からスタートした、トヨクモkintone連携サービスを活用した業務改善。今ではkintoneが多くの職員が使うデータベースのプラットフォームとして、トヨクモkintone連携サービスが学生や保護者、教員や外部関係者に向けたフロントエンドの役割を、それぞれ果たしているといいます。
「取り上げていただいた事例は各職員の努力の賜物ですが、誰でも使いやすいUIを備えたトヨクモkintone連携サービスだからできたことだと思います。
kintoneのアカウントをもっていない学生や教員に対して、情報入力や公開をしたい、大学のような教育機関にはうってつけのサービスです。トヨクモkintone連携サービスによって業務効率化の可能性は大きく広がりました。」(山本氏)
トヨクモkintone連携サービスは、いずれも30日間の無料お試し期間をご利用可能です。
具体的な操作や効果を事前に確認いただいたうえで、安心して導入をご検討いただけますので、現状の業務フローに大きな課題を抱えているご担当者の皆さまは、ぜひご活用ください。
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