保険代理店で脱Excel・顧客マイページ作成! 情報共有とデータ管理の自動化で400時間の作業を200時間に
企業紹介
法人向け・個人向け損害保険代理業、生命保険募集事業
自社におけるDXの成功体験をもとに、保険代理店向けDX支援事業「IOS Tech」を運営
課題
月間数百件発生する事故対応業務で、顧客から五月雨式に届く資料の保管作業が負担に
団体保険更改業務で、重要情報をメール送信するためのチェック作業と、加入者との資料のやり取りが負担に。200社が加入する保険では、作業時間が年間400時間に。
異動手続きが多い「動産総合保険や企業財産保険」において、顧客からの契約状況確認の問い合わせが頻発
解決策
FormBridgeとkViewerで契約者専用のマイページを作成し、受付や資料アップロードを一元化。
FormBridge・kViewerによる資料アップロードの一元化に加え、kMailerでkintone上からメールの一斉送信を可能に。
kViewerで顧客がいつでも閲覧できる契約物件一覧ページを作成
効果
事故対応の作業時間を7〜8割削減。以前のフローで5時間相当の案件であれば、現在はおよそ1、2時間で対応可能
更改作業に年間400時間かかっていた案件が、200時間で対応可能に
顧客からの問い合わせが減り、担当者・契約者双方の負担が軽減

法人向け・個人向けの損害保険代理業と生命保険募集業務を手がける伊藤忠オリコ保険サービス株式会社(以下、伊藤忠オリコ保険サービス)。
同社では、2019年頃からkintone、2021年からトヨクモkintone連携サービスを活用し、導入前は400時間ほどかけて対応していた案件に200時間で対応できるようになるなど、大幅な業務改善を複数実施してきました。この成功を受け、2024年からは保険代理店向けDX支援事業「IOS Tech」を立ち上げ、他社の業務改善支援にも乗り出しています。
今回は、この新事業にもつながったDX推進のプロセスについて、CDO・IT企画部長の平野 淳氏にお話を伺いました。
▲伊藤忠オリコ保険サービス株式会社 CDO・IT企画部長の平野 淳氏
kintoneで顧客情報の一元管理を実現!「三種の神器」で社外を巻き込むDXを実現
伊藤忠オリコ保険サービスでは、kintoneの導入前から顧客情報や契約情報を管理する基幹システムを活用していました。ただ、コスト面から頻繁な改修が難しく、現場では使い勝手の良さからExcelでの情報管理が定着していたと言います。
顧客ごとの管理ファイルや週報、会議資料、営業担当者の活動履歴などが複数のファイルに分散し、フォーマットも課ごとに異なっていたため、上長が必要な情報がどこにあるのかを把握しづらい状態が課題となっていました。
そこで、情報を一元管理する基盤として同社が選んだのがkintoneです。ノーコードでアプリを構築でき、既存の管理帳票をもとにアジャイル型で開発を進められる柔軟さを評価し、2019年ごろから利用を開始しました。
ただ、保険代理店として顧客と保険会社との間に立ち、契約や事故対応の手続きを担う同社では、社外との機密情報のやり取りが多く発生します。kintoneの導入によって、社内の一部業務では情報の一元管理が実現したものの、社外との情報共有が多い業務では引き続きメール・Excel・ストレージを往復しながら対応する状態が続いていました。
ここで着目したのが、トヨクモのkintone連携サービスです。ノーコードで業務部門主導でも運用できる点に加え、複数サービス連携によって徐々に用途を増やしていける拡張性にも期待し、2021年、FormBridgeから利用を開始しました。
現在は、顧客や取引先の保険会社の方など、社外からWebフォーム経由で情報を取得するFormBridge、社外にWebページで情報を共有するkViewer、メール送信を効率化/自動化するkMailerの3製品を活用し、社外とのやり取りもkintoneに基盤を置ける体制を整えています。
今回は、平野氏自身が「三種の神器」とも呼ぶこの3製品によって実現した業務改善の一部をご紹介します。
事例1|FormBridge×kViewer×kMailerで事故対応にかかる時間を7〜8割削減
まずご紹介するのが「事故対応」業務の事例です。保険を契約している顧客から事故の発生について連絡を受け、保険金請求に必要な書類を回収し、保険会社へつなぐまでを担う業務です。
kintone連携サービスの導入以前は、「事故発生の連絡が電話で入り、担当者が事故内容に応じた必要書類を案内したうえで、写真や領収書などの資料を提出してもらう」という流れでこの業務に対応していました。
しかし実際には、資料は顧客からメールでパラパラと五月雨式に送られてくることが多く、都度、案件ごとに作成されたストレージ上のフォルダへ手作業で保存する必要がありました。
事故ごとに必要な書類は異なり、これらが揃っているかどうかもその都度目視で確認しなければなりませんでした。事故対応の件数は月間で数百件にのぼり、台風などの災害時にはさらに件数が膨らんでいました。
加えて、案件の進捗はExcelの管理表にその都度入力していましたが、Excelにはアラート機能がないため、対応期限が過ぎても気づきにくい点も課題となっていたそうです。
そこで現在は、FormBridgeで事故受付と資料・写真のアップロードを受け付け、kintoneの事故対応管理アプリ上に案件レコードが自動で作成されるようにしました。各案件の進捗もkintone上で管理でき、対応期限に応じて担当者に自動で通知されるようになっています。
▲事故対応受付フォームのイメージ画像(伊藤忠オリコ保険サービス様 提供)
▲事故対応管理アプリのイメージ画像(伊藤忠オリコ保険サービス様 提供)
FormBridgeで作成したフォームには入力内容に応じて回答項目の表示を切り替える条件分岐を設定し、事故の種類に合わせて必要な書類の提出用フィールドを表示しています。
また、kViewerで各顧客専用のマイページを作成し、案件の進捗状況を顧客がリアルタイムに確認できるようにしました。追加の書類が必要になった場合も、マイページから追加用フォームを経由し、顧客自身でアップロードできる仕組みです。
「顧客からフォームでアップロードされる内容が、すべて自動でkintoneに収まるので。頻繁にしていたメールのやりとりも減りますし、ストレージにファイルを移す必要もありません。特に細心の注意を払う必要があるケースは手動で対応することもありますが、大部分を自動化して大きく手数を減らせています」(平野氏)

▲各顧客専用マイページのイメージ画像(伊藤忠オリコ保険サービス様 提供)
さらに、必要書類が揃ったらステータスを更新すると、自動で保険会社にメール通知が届くようkMailerで設定しています。通知を受け取った保険会社の担当者はゲストユーザーとしてkintoneにアクセスし、書類をダウンロードできる仕組みです。こうした仕組みにより、事故対応にかかる時間は大幅に短縮されたと言います。
「各案件ごとに対応時間に幅はありますが、たとえば以前5時間程度かかっていた案件であれば、おおよそ1、2時間で完結できるようになっています。感覚値として、必要書類の追加請求や管理にかかる作業も含め7、8割ぐらいは削減できているイメージです」(平野氏)
業務のスピードだけでなく、顧客からファイルが届くたびに手を止め、保管作業に時間や神経を使っていた従業員の心理的負担も大きく軽減されているそうです。
事例2|kintoneを保険更改業務の基盤に!400時間かかっていた案件に200時間で対応
伊藤忠オリコ保険サービスで取り扱っている「団体保険」では、年に1度、契約内容を見直して契約を更新する「更改手続き」を行っています。年1回の更改時期には、団体傷害保険や団体労災保険、ガソリンスタンド向けの保険など、数十種類に及ぶ団体保険の更改業務が集中して発生するそうです。一つの団体保険に数百社が加入しているケースもあり、見積書の送付から申込の回収、加入者証の発行・送付まで、期日の決まった作業をタイトなスケジュールで進めなければなりません。
しかし、kintoneの導入以前は手続き対象の案件を20シート以上に及ぶExcelの管理表で管理しており、ファイルを開くだけでも時間がかかるうえ、複数名での同時編集もできない状態でした。
加入者が多い団体保険の更改業務において、とくに大きな課題を抱えていたのが見積書の個別送付作業です。案件の管理表の情報から見積書を作成し、さらに別のExcelマクロを使って宛先ごとにメールを作成していたため、メール送信前のチェック作業に時間がかかるだけでなく担当者の心理的負担も大きかったと言います。
加えて、加入者とのやりとりや書類の管理も事故対応業務同様にExcel・メール・ストレージのフォルダを往復しながら進める必要があり、ここでも複数ツールを跨いだ情報管理に手間がかかっていました。
そこで現在は、Excelで管理していた情報をkintoneの9アプリへ集約。帳票出力用、計算用プラグインも活用してkintone上で見積書を作成し、kMailerによってkintone上から一斉送信しています。これにより、見積書の作成からメール送信までを同一基盤で完結できるようになりました。
▲団体保険管理アプリのイメージ画像(伊藤忠オリコ保険サービス様 提供)
さらに、この保険更改業務でも、FormBridgeとkViewerを使って事故対応業務同様の加入者向けマイページを作成しました。手続きに必要な書類は、マイページに連携したWebフォームを経由して、顧客自身でkintoneにアップロードできるようにしています。
▲団体保険更改手続き申請フォームのイメージ画像(伊藤忠オリコ保険サービス様 提供)
この業務改善により、Excelの管理表ではできなかった複数名での同時編集も可能となり、メールのチェック作業や情報の受け渡しなど、業務の手数を大きく削減できています。
たとえば、200社が加入する団体保険の更改作業であれば、以前は400時間ほどかけて対応をしていましたが、現在はその半分の200時間ほどで対応できています。
「団体保険の更改業務はとくに、いつまでに何を送って、その次に何をいつまでに回収して、とかなりタイトなスケジュールで進める必要があります。期日までにやりきらなければならない作業がボタン一つでできるようになり、担当者の心理的な負担は大きく軽減されたと聞いています。また、業務の手数が大きく減ったことで、連絡の取れない加入者への連絡など、個別の業務にも時間を使えるようになっています」(平野氏)
事例3|kViewer×FormBridgeで契約内容確認の問い合わせ対応を効率化
伊藤忠オリコ保険サービスでは、各企業が資産として所有する工場や機械、車などに関する動産総合保険や企業財産保険も取り扱っています。
この動産総合保険や企業財産保険では、保険契約対象である「物件」の増減に伴う契約内容の変更(異動)が頻繁に発生します。社内では、各顧客の契約対象物件をExcelの台帳で管理していたものの、この台帳を常に最新の状態でリアルタイムに顧客へ共有する手段はありませんでした。
これにより、顧客からは「あの新しい物件について申請をしていましたか」「まだこの物件は対象ですか」といった問い合わせがたびたび届き、そのたびに資産台帳を確認する必要がありました。
▲Excelで管理していた資産台帳のイメージ画像(伊藤忠オリコ保険サービス様 提供)
そこで、kViewerを使って、顧客がいつでも確認できる「契約物件の一覧ページ」を作成しました。この一覧ページの作成には、ユーザー管理を使った絞り込み機能を使用しています。ページにアクセスするためのログイン認証によって閲覧者を判別し、閲覧している顧客の物件が登録されたレコードのみを表示する仕組みです。ページ上では、エリア別・管理番号別に物件を検索できるようにしています。
▲物件一覧ページのイメージ画像(伊藤忠オリコ保険サービス様 提供)
※本画像上部のように、レコードの内容に応じて対象件数を表示するにはJavaScriptやCSSによるカスタマイズが必要です。カスタマイズについてはトヨクモのサポート対象外となります。
さらに、FormBridgeと連携することで、ページ上から異動申請用のWebフォームに遷移できるようにしています。顧客は、物件の増減があればフォーム上から異動(契約内容の変更)申請を行えます。
従業員が問い合わせに手を止める必要がなくなっただけではなく、顧客はマイページを確認するだけで最新の物件情報を把握できるようになりました。「今どうなっているか分からない」状態で回答を待つ必要がなくなり、社内外双方で業務がスムーズに進められるようになりました。
事例4|kBackupで、アプリが増えても安心できるバックアップ体制へ
kintoneが業務運用の基盤として定着するにつれ、データのバックアップの重要性も増していきました。当初は手動でバックアップを取り、その後はRPAでバックアップ作業を自動化していましたが、kintoneで対応する業務が増えることに伴い、専用ツールの必要性を認識されたと言います。
「業務運用の基盤になってきたので、ちゃんとしたツールを使ったほうが安心だよね、ということで導入しました」(平野氏)
そこで2025年、バックアップ専用のツールとしてkBackupを導入し、業務の基盤となったkintoneのデータを安心して守れる体制を整えました。万が一のデータ消失や誤削除に備えられる安心感が、水面下で日々の業務運用を支えています。
「FormBridge・kViewer・kMailerは三種の神器」
——反発を受けながらも社内外を巻き込み、DXを他社にも広げる
FormBridge・kViewer・kMailerを核に、社内にとどまらず顧客や取引先の保険会社を巻き込んだ業務フローの全体最適化を実現した伊藤忠オリコ保険サービス。業務改善の鍵となったのは、情報管理をkintoneに一元化したうえで、連携サービスを使って外部とのやり取りごとkintoneに載せるという発想でした。
「社内の情報管理を変えるだけでは業務改善の効果が限られてしまうため、お客様や保険会社とのやり取りを、いかにkintoneに載せられるかがポイントだと考えています。そこで、外部とのインターフェースになるkViewerとFormBridge、複数名への連絡をkintoneからボタン一つで送れるkMailer。この3つが合わさると、本当に業務がkintoneに乗ってくるんです。私はこれを『トヨクモ三種の神器』と呼んでいます」(平野氏)
しかし、こうした業務改善はどれもスムーズに受け入れられてきたわけではありません。新しい仕組みへの切り替えには、社内・社外の双方から抵抗があったと言います。社内からは、顧客感情への悪影響を心配する声が、社外からはWeb上での操作への不安の声が上がっていました。そこで平野氏は、新しい仕組みで何が実現できるかを一つひとつ説明しながら、理解を広げていきました。
「いろんなユースケースを通じて丁寧に説明して、便利さを感じてもらう。そのプロセスは結構大変でしたね」(平野氏)
顧客や加入者への展開でも、丁寧な段取りが取られました。早い場合には5か月前から運用切り替えの概要を伝え、3か月前には説明会を実施。フォームの申請方法やマイページのログイン手順を複数回にわたって案内し、切り替えの2週間前にマニュアルを配布するという流れで、納得を得ながら進めてきました。
こうした地道な取り組みの積み重ねにより、各業務の運用を変更してから数年経った今も、大きな混乱は起きていません。実際に問い合わせが減り、不満の声も上がっていないこと自体が、定着の成果だと平野氏は語ります。
伊藤忠オリコ保険サービスにおけるDX成功体験の説得力は大きく、同社は現在、保険代理店向けDX支援事業「IOS Tech」を通じて複数の保険代理店へのDX支援にも取り組んでいます。(2026年10月現在)
伊藤忠オリコ保険サービスのように、機密情報をやり取りする業務を効率化し、顧客や取引先を巻き込んだ全体最適を目指したい方は、ぜひkintone×トヨクモkintone連携サービスの活用を検討してみてください。
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公開日:2026年10月9日
※事例記事の内容や運営している事業内容、所属は取材当時のものとなります
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公開ビューを閲覧している人自身が、ビュー内の情報を編集できるようになります。ビューに紐づくkintoneの情報も自動で更新されます。※FormBridgeの契約が必要です。 | |
フォームの回答内容によって項目を出し分けることが可能です。ユーザーが必要のない項目に回答してしまうことを回避できます。 | |
kintoneのレコード一覧画面から、一斉にメールを送信できます。添付ファイルのダウンロードURLを挿入することも可能です。 |




