顧客情報の管理から書類作成までkintoneで完結!行政書士事務所のトヨクモkintone連携サービス活用事例
外国人の各種ビザ申請、永住許可申請、会社設立などを支援する木村国際行政書士事務所。同事務所では案件管理をkintoneで行っていましたが、書類作成や問い合わせ対応など、一部の業務でデータの二重管理が発生し、非効率な状態が続いていました。
そこでPrintCreatorとFormBridgeを導入し、案件に関わる一連の業務をkintone上で完結できる仕組みを構築。さらに、kBackupを活用して、顧客情報の管理から書類作成までのフローをWeb上で安全に保全する仕組みを整えました。
本記事では、トヨクモkintone連携サービスの活用方法について、木村国際行政書士事務所の木村淳一氏よりお話を伺いました。
kintoneを中心とした効率的な業務環境の整備へ
同事務所では、以前からkintoneを活用して案件管理を行っていました。しかし、見積書や請求書は都度Excelで作成しており、データの転記作業に伴う入力ミスや管理の非効率性が課題となっていました。
そこで、kintoneに情報を一元管理できるよう、連携サービスの検討を開始。他社製品と比較した結果、PrintCreatorとFormBridgeの導入を決めました。
「トヨクモkintone連携サービスは、専門知識がなくても直感的に操作できるのが魅力です。ドラッグやマウスの調整だけで帳票やフォームを作成でき、見た目もkintoneと似ているため、すぐに操作になれることができました。」(木村氏)
PrintCreatorとFormBridgeの導入により、見積書の作成から案件管理、請求までのフローがkintoneに集約され、転記作業が不要になりました。これまでは、ExcelやWordを開くたびにフォルダを探し、必要なファイルを呼び出す手間が発生していましたが、導入後はこうした業務がスムーズに進むようになったと言います。
▲kintoneの案件管理アプリ。顧客に関する情報が集約されている
「現在は、案件管理アプリを中心に、お客様とのスケジュール調整や小口現金の管理、電話で受けた相談の記録などもすべて、kintoneで完結しています。業務全体の効率化を考えると、値段以上の価値が生まれていると感じます。」(木村氏)
さらに、業務の安全性を高めるため、約半年後にはkBackupを導入しました。個人情報を取り扱う士業だからこそ、大切なお客様の記録を守るため、「もしもの時」に備えたデータの保全を徹底しています。
また、セキュリティ対策としてクライアント証明書を導入し、特定のパソコン以外からのアクセスを制限。これにより、セキュリティレベルを高め、安心して業務を運用できる環境を整えています。
お客様のニーズや法改正に柔軟に対応!トヨクモkintone連携サービスの活用事例3選
活用事例①書類作成(PrintCreator)
従来、お客様の案件情報はkintoneで管理しながら、見積書などの帳票を作成するたびにExcelへ再入力する必要がありました。その後、売上情報を更新する際にはExcelのデータを再びkintoneへ転記。こうした二重作業により、手間が増えるだけでなく、桁の誤入力といったヒューマンエラーのリスクが避けられなかったそうです。
PrintCreatorの導入により、kintoneに登録されたデータをもとした帳票の作成が可能に。転記作業が不要になり、業務効率が大幅に向上しました。入力ミスも最小限に抑えられ、より正確でスムーズな業務運用が実現しています。
▲出力した各種帳票
また、同事務所では見積もりを発行後、ご依頼をいただいた際に着手金として半額を受領し、業務完了時に残金をお支払いいただく流れを取っています。しかし、見積書や請求書のフォーマットが類似しており、誤って異なる書類をお客様にお渡ししてしまうリスクがありました。
そこで工夫したのが、PrintCreatorの出力ボタン横のプルダウンです。プルダウンに表示される帳票について、「見積書」「請求書」などの帳票名や、「着手金用」「精算用」といった用途ごとに余白を設け、擬似的に階層構造を作成。
▲kintoneの画面上に表示される出力ボタン横のプルダウン。
カッコやスペースを活用して、出力時の帳票選択を誤らないように工夫しているといいます。
さらに、宛先が個人か法人かをひと目で判別できるよう、個人宛の帳票には「人のマーク」を付けるなど、識別しやすいルールを設定しました。こうした工夫により、発行時の帳票識別がスムーズになり、誤発行のリスクを最小限に抑えることができています。
また、PrintCreatorで作成した帳票は、ワンクリックでkintone上に保存され、PDFでの出力も可能。ペーパーレスが促進されるとともに、電子メールでの送付も迅速になったそうです。
「以前は、ExcelのデータをPDFに変換し、印刷して商談に持参していました。しかし、枠の大きさを調整するとレイアウトが崩れ、見栄えが悪くなるケースもありました。PrintCreatorなら、顧客管理ファイルの表紙や見積書、請求書を統一したフォーマットで出力できるため、視認性が向上し、お客様にもよい印象を与えられます。」(木村氏)
活用事例②問い合わせフォーム(FormBridge)
ランディングページ(LP)の問い合わせフォームの作成を外部業者に依頼した場合、共通フォーマットを1つ作成し、複数のページに埋め込む形が一般的です。しかし、同事務所が扱う外国人向けのビザは、「永住」「配偶者」「就労」など種類ごとに必要な情報が異なります。そのため、画一的なフォームでは十分な情報を収集できない点が、課題となっていました。
さらに、フォームのカスタマイズには費用と時間がかかり、法改正や業務の変化に対応しづらい上、取得情報のkintoneへの転記も負担になっていました。
こうした懸念を解消するために、FormBridgeを活用し、ビザの種類に応じたフォームを作成。iframeを活用してLPにフォームを埋め込むことで、問い合わせ内容が直接kintoneへと連携されるようになりました。その結果、転記作業が不要になり、法改正や業務変更にも柔軟に対応できるようになりました。
▲FormBridgeで問い合わせを受け付けてからの流れ。
問い合わせを受け付けると同時にメールが届き、kintone上にも情報が保存される
「以前は、メールで届いた問い合わせ内容をコピーし、kintoneのレコードを追加して手作業で貼り付けていました。しかし、その過程で入力漏れや貼り付け先がズレてしまう場合もありました。
現在は、お客様が入力した情報がそのままkintoneに反映されるため、正確性が向上し、問い合わせ対応の負担も軽減しています。FormBridgeは自由に作成・修正でき、カスタマイズ性が高く助かっています。」(木村氏)
活用事例③顧客情報の保護(kBackup)
ヒューマンエラーによる顧客情報の誤削除などのリスクを考慮し、kBackupを導入しました。導入後は定期的なバックアップが自動で行われるため、万が一レコードを誤って削除してしまっても、迅速な復旧が可能です。
「士業にとって、顧客情報の適切な管理は信頼を維持するうえで欠かせません。しかし、どれだけ慎重に対応していても、思わぬミスによるデータの誤削除を防ぐのは難しく、失った情報を復旧できなければ、業務に大きな支障をきたします。kBackupは、自動でバックアップをとってくれるため、手間をかけずに大切な顧客情報を守ることができます。」(木村氏)
士業のDXを加速させる、kintone x トヨクモ製品の可能性
トヨクモ関連サービスの導入により、お客様ごとの案件管理から帳票作成までの業務がkintoneで完結するようになりました。さらに、サイボウズが主催するキンコミやYouTubeなど、積極的な情報収集を通じて、DX化を加速。今後は、働き方の変化にも期待しているそうです。
「これまでは紙ベースの業務が多く、出社が前提でした。しかし、FormBridgeで柔軟に問い合わせフォームを、PrintCreatorで簡単にきれいな帳票を作れるようになったことで、オフィス以外でも業務を進めやすくなり、時間や場所にとらわれない働き方が実現しつつあります。
今後、働き方が多様化する中で、育休や時短勤務の方も自宅で業務をこなせる環境が整い、より柔軟な選択肢が実現しつつあります。こうした仕組みを作れたことは、大きな成果だと感じています。」(木村氏)
近年、PCを使用せずスマートフォンでやり取りを希望するお客様が増えていることから、「今後はスマートフォンでも簡単にヒアリングできる仕組みを整えたい」と話します。最後に、同じ悩みを抱える士業の方々に向けてメッセージをいただきました。
「一口に士業といっても、管理する情報には細かな違いはあると思いますが、kintoneやトヨクモ製品なら、プログラミングの専門知識がなくても直感的に操作でき、業務に合わせたカスタマイズが可能です。
特に、紙やExcelに分散しがちな情報が一元化され、Web上で案件管理を完結できる点は大きな強み。私も無料で試してみて、その便利さを実感しました。アプリは、誰でも簡単に作れるので、年齢や経験を問わず、まずは一度試してみてほしいです。」(木村氏)
記事公開日:2025年3月4日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります